4月1日、八ッ場ダムが本格運用を開始したのに伴い、国土交通省関東地方整備局は、ダム堤の左岸側に管理支所を開所しました。
八ッ場ダム事業ではダム堤は完成し、運用が可能となったものの、まだ関連事業が終了しておらず、2020年度に延伸した工事は、3月31日に閉鎖した工事事務所から利根川ダム統合管理事務所が引き継ぐとのことです。
ダム貯水池は水没住民の移転代替地となっている大規模盛土造成地や地滑り地に取り囲まれており、地盤の動きを監視する仕事も管理支所が行います。
写真右=ダム湖岸の地盤の動きを計測する機器。道の駅八ッ場ふるさと館付近。
◆2020年4月2日 上毛新聞
ー八ッ場ダム運用開始、管理支所開所ー
計画から68年で完成した八ッ場ダム(長野原町)が1日、本格運用を始めた。大雨時の河川氾濫を防ぐ治水のほか、本県や下流都県の水道水や工業用水として供給する。
重力式コンクリートダムで堤体の高さは116㍍。総貯水容量は1億750万立方㍍。貯水は3月10日に始めており、有効貯水容量に対する1日時点の貯水率は30%となった。
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム管理支所が同日開所し、看板が披露された。小川幹治支所長は「職員一同、しっかり管理していきたい」とあいさつした。
支所にはダムを紹介する「なるほど!やんば資料館」を設けているが、新型コロナウイルスの影響で4月末日まで閉鎖している。
◆2020年4月2日 毎日新聞群馬版
https://mainichi.jp/articles/20200402/ddl/k10/040/197000c
ー八ッ場ダム、管理支所が開所 式典の規模は縮小 長野原ー
八ッ場ダムの完成と運用開始に伴い、同ダムを管理する国土交通省「八ッ場ダム管理支所」(長野原町)が1日、開所した。開所式は新型コロナウイルス感染予防を考慮して規模を縮小して実施。職員約10人が参加した。
3月31日の完成をもって「八ッ場ダム工事事務所」は閉鎖。管理支所は国交省関東地方整備局利根川ダム統合管理事務所が統括する。生活再建事業の道路整備など2020年度に延伸した工事は、同事務所が引き継ぐ。
支所内に併設された「なるほど!やんば資料館」も、リニューアルオープンし、ダムの歴史や働きを紹介する。旧資料館は2015年8月に開館し、今年1月までに延べ20万人が訪れた。現在は新型コロナウイルスの影響で開館を見合わせているという。
利根川ダム統合管理事務所の塩谷浩副所長(51)は「68年という長い歴史を経て、地元の犠牲があって完成した。皆さんの気持ちを無駄にせず運用していきたい」と話した。【菊池陽南子】
◆2020年4月1日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57505260R00C20A4L60000/
ー八ツ場ダム、本格運用を開始 管理支所が開所ー
国土交通省が群馬県長野原町に整備した八ツ場ダムが1日、本格運用を開始した。計画が発表されてから68年、建設賛否を巡る地元対立や政権交代による事業中断など複雑な経過をたどったものの、今後は下流の都県の洪水調整や利水などに活用する。同省は同日、ダム近くに「八ツ場ダム管理支所」を開所した。
八ツ場ダム整備事業は1952年、利根川の堤防が決壊した47年のカスリーン台風を契機に始まった。民主党政権下で工事が一時中断した。国内のダム事業として過去最大の約5320億円が投じられた。
同省はダムに水をためて安全性を確認する試験湛水(たんすい)を2019年10月に始め、3月9日で終了した。本格運用の開始に伴って同省の利根川ダム統合管理事務所に八ツ場ダム管理支所を設置した。
八ツ場ダムは多目的ダムで、大雨のときに水をためるほか、群馬県のほか下流域の都県の水道・工業用水の確保、発電を担う。19年秋に到来した台風19号など近年、豪雨災害が増えており、当初の建設目的である治水機能の強化につながるのか注目される。
写真=ダム堤の左岸側の川原畑地区八ッ場に建てられた管理支所。