八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム2カ月で満水に、本格運用後初めて

 今年3月9日に試験湛水が終了した八ッ場ダムは翌10日から貯水を始めましたが、二カ月で満水になったとのことです。
 前橋地方気象台の今年3月の群馬県の気象概況によれば、今年3月は、24時間降水量が1912年の統計以来、2番目の多さであったということです。群馬県の4月の気象概況はまだ発表されていませんが、既に発表されている東京都の4月の気象概況によれば、東京都の4月の降水量は1876年の統計開始以来、過去最多とのことです。この二か月間は例年になく降水量が多かったため、八ッ場ダムの貯水も早く進行したようです。
 7月から洪水期に入るため、八ッ場ダムは洪水調節のために水位を現在より最低でも28メートル下げる操作を行うことになっています。
★右画像=利根川ダム統合管理事務所HP 八ッ場ダムの貯水率

 八ッ場ダムだけでなく、利根川上流の9ダムは、すべてほぼ満水の状態で、平均値に対する割合は133%となっています。
 利根川上流ダム群の中で最も貯水容量の大きい矢木沢ダムをはじめ、利根川最上流のダムは、例年、群馬県と新潟県の県境の谷川岳などの残雪が溶けて貯水します。今冬は雪が少なかったため、夏場の渇水が懸念されていますが、今のところ水源は十分にあるようです。
 
利根川ダム統合管理事務所HP 「利根川上流ダム群(9ダム)の貯水量情報」

◆2020年5月13日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/212275
ー八ツ場ダム 2カ月で満水に 完成・本格運用開始後で初めてー

 3月末に完成した八ツ場ダム(長野原町)が12日、予定貯水量に達し、ダム湖「八ツ場あがつま湖」が満水になった。本格運用に向けた貯水から約2カ月で初めて満水となり、広大な水面が広がっている。

◎新型コロナ対策で展望台などは閉鎖中
 国土交通省利根川ダム統合管理事務所によると、同日午前8時半、有効容量(9000万立方メートル)に対する貯水率がおおよそ100%に達し、水位は常時満水位の標高583メートルとなった。

 貯水は試験を経て3月10日に開始。ダムの地元、川原湯温泉協会の樋田省三会長は「日ごとにたまっていくのが分かった。日差し、風によって湖面の見え方が異なりきれいな景色。新型コロナウイルスの影響が収束すれば、いい観光資源になる」と話した。

 水位は洪水に備え、7月1日~10月5日に標高555メートルまで下がる。新型コロナウイルス感染症対策のため、やんば見放台、川原湯展望広場などの見学場所は当面の間、閉鎖している。

—転載終わり—

 上毛新聞のサイトには、空撮の動画(2分49秒)もアップされています。きれいな青い湖の印象しか残りませんが、工事中の道路やダム湖岸に積まれた土嚢なども小さくうつっています。

写真=林地区の町道工事。八ッ場ダムの関連工事は今もダム湖周辺の至る所で続いている。

写真=昨年10月の台風19号豪雨でダム湖岸の崖が崩れたのか、土嚢が積まれている。

写真=湖面から木が見えている所が、弁天橋の架かっていたあたり。ポストカードにもなった景勝地で、川の中ほどの岩を利用して橋が架けられていた。写真奥に湖面橋・丸岩大橋(湖面3号橋)。