リニア工事「地下水位低下は深刻」、静岡県知事インタビュー

 リニア新幹線問題について、川勝平太・静岡県知事のインタビュー記事が毎日新聞に掲載されていました。
 リニア新幹線工事による地下水位の低下が深刻な問題であることがよくわかります。川勝知事はこのインタビューの中で、国交省有識者会議の福岡捷二・中央大研究開発機構教授がリニア推進のシナリオに沿って価値判断をしたことに懸念を表明しています。福岡氏は八ッ場ダム関連の有識者会議でも国土交通省の意向に沿って発言することで知られています。

 リニア問題では、静岡県が難色を示しているために工事が遅れるという論調が多くみられますが、長野県内での工事についてのハーバー・ビジネス・オンラインの記事を読むと、ダムの工事と同様、至る所で工事遅延の原因があるようです。

◆2020年8月6日 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20200806/k00/00m/040/035000c
ーリニア工事「地下水位低下は深刻」 JR予測に知事、生物への打撃懸念ー

 未着工のリニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区を巡り、工事によるトンネル周辺の地下水位の低下を最大で300メートル以上としたJR東海の予測について、静岡県の川勝平太知事は5日の定例記者会見で「非常に深刻な問題だ。影響があると受け止めている」と認識を示し、周辺に生息する生物が受ける打撃を懸念した。【山田英之】

 7月16日にあった国土交通省の第4回有識者会議で、JR東海は掘削によるトンネル周辺の地下水位の低下を最大で300メートル以上と予測。地下水位が低下することでトンネル掘削完了の20年後に渇水期の上流の沢の流量が最大で7割程度減少する可能性を示し、「流量減少が予測される沢の周辺の生態系への影響は回避が難しい」としている。

 JR東海は対策として、流量の観測や代償措置を行うと主張する。一方、川勝知事はこの日の会見で「300メートル以上低下すれば生息する生物に大きな打撃。極めて重大な問題だと思っている」と語った。

 また、第4回有識者会議の終了後の記者会見で座長の福岡捷二・中央大研究開発機構教授が「方向性が見えてきた。JR東海の計算による限り、トンネルを掘っても下流の水利用に悪影響にならないのではないか」と感想を述べたことに川勝知事は言及。「有識者会議を早く収束させようという意図が垣間見えた。価値判断をしたのは拙速だった。一種のシナリオがあったのかなという印象を強くした」と批判した。

 自然環境への影響によって、生態系の保全などを目的とした国連教育科学文化機関(ユネスコ)のエコパーク(生物圏保存地域)になっている南アルプスの登録取り消しも危惧した。工事による生態系への影響回避が難しいことについて川勝知事は「ゆゆしきことだと普通はとらえる。そういうことをしてよいのかという話になる」と警告。今後、環境省などの関係省庁への報告も検討する考えを明らかにした。

◆2020年8月7日 ハーバー・ビジネス・オンライン
https://hbol.jp/225400
ー「問題だらけのリニア工事」。静岡県側でなく、南アルプストンネル長野県側も驚愕の惨状ー  宗像充