国土交通省九頭竜川ダム統合管理事務所は、九頭竜ダムと真名川ダムが「緊急放流」に踏み切った時に想定される水害リスク図を公表しました。
下流を氾濫から守るはずのダムが「緊急放流」で氾濫を引き起こすこともあることを公表する時代になりました。
公表された水害リスク図は以下のページに掲載されています。
https://www.kkr.mlit.go.jp/kuzuryu/sui_risk/index.php
国土交通省近畿地方整備局 九頭竜川ダム統合管理事務所HP 「ダム下流水害リスク図について」
◆2020年8月8日 中日新聞
https://www.chunichi.co.jp/article/101828
ー大野・九頭竜ダム、真名川ダム 水害リスク図公表 緊急放流時・浸水5メートル超の恐れもー
国土交通省九頭竜川ダム統合管理事務所は七日、大野市内にある九頭竜ダム、真名川ダムがそれぞれ「緊急放流」に踏み切った時に想定される水害リスク図を、同事務所ホームページで初めて公表した。市内の浸水被害が及ぶ地域を予測し、深さ五メートル以上になる恐れもあるとした。 (尾嶋隆宏)
水害リスク図は四種類公表した。地図上に浸水の範囲と深さを色分けした「想定最大規模」、深さ五十センチ以上の浸水が何時間続くかを予想した「浸水継続時間」のほか、堤防決壊で家屋被害を受けそうな箇所なども表示した。
九頭竜ダムは、大野市角野から西勝原を影響区域と想定した。谷あいを蛇行する川の形状から複数の箇所で五メートル以上の浸水になる恐れがある。
真名川ダムは、同市下若生子(しもわかご)から土布子(つちふご)付近を影響区域とした。流域の広い範囲で三メートル未満の浸水があると予想し、特に勝山市境にある九頭竜川との合流地周辺は、浸水の深さが五メートルを超えるとした。
両河川とも浸水は十二時間未満で大部分は解消するとみられる。
緊急放流は、豪雨でダムが満水に近づいた時に踏み切る。全国ではここ数年、ダムの決壊を回避するための緊急放流がやむなく行われており、国は緊急放流で被害の生じる場所をあらかじめ予測し公開することにした。
大野市では防災マップを本年度内に改定し、今回の予測を反映させて住民に周知していく方針。