石木ダム事業では昨年9月、長崎県がダム予定地住民のすべての土地と家屋を強制収用しました。長崎県が明け渡し期限とした昨年11月18日から一年が経過したのを記念して、地元の川棚町でダムに反対する市民団体が集会が開かれました。コロナ禍で様々な制約がある中、会場には主催者の予想を上回る約70名、zoomでは全国から22名、ツイキャス視聴者約10名の方々が参加・視聴したとのことです。
会場内にカメラを持ち込んで、撮影された様子は下記ユーチューブサイトで視聴可能です。
◇開会あいさつ/炭谷猛さん
https://youtu.be/S0SKvqibamU
◇川棚の治水の問題/今本博健京都大学名誉教授
https://youtu.be/FOOAsLXT2h0
◇佐世保の水需要の問題/松本美智恵さん(石木川まもり隊代表)
https://youtu.be/lK7ieC2TJes
◇会場の皆さん・全国の皆さん(ZOOM発言)の意見・閉会挨拶・シュプレヒコール
https://youtu.be/niht2J8BJZE
関連記事を転載します。
◆2020年11月29日 長崎新聞
https://this.kiji.is/705596653749584993
ー「石木ダム造らせない」 反対住民ら長崎・川棚で集会ー
長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業の反対集会「石木ダム強制収用あんまいばい 日本全国言いたか放題」が28日、同町内であり、水没予定地の住民や支援者らが事業の問題点について意見を交わした。
石木ダムを巡っては、県と同市が昨年9月に、反対住民13世帯の宅地を含む未買収用地の所有権を取得。同年11月に全ての土地の明け渡し期限が過ぎた。現在も住民が生活し、建物の撤去などの行政代執行の請求が可能になっている。
集会は明け渡し期限から1年が過ぎたのを機に、事業に反対する町民団体などが主催。水没予定地の住民で川棚町議の炭谷猛さんは「この問題を県民全体で考える機会としたい」とあいさつした。
河川工学が専門の今本博健・京都大名誉教授は、インターネットのビデオ会議システムで参加し、「県はダムの事業費を過小に、河道掘削や堤防整備などによる代替案の費用を過大に見積もっている」と批判。石木川まもり隊代表で佐世保市民の松本美智恵さんは「持続可能な開発目標が世界中で目指されている中、半世紀近く前の事業にこだわり続けるのはよくない」と苦言を呈した。
集会にはリモートを含めて約70人が参加。参加者は集会後、「ダムは造らせないぞ」などと訴え、町内中心部をデモ行進した。
◆2020年11月29日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASNCX72H2NCXTOLB008.html
ー明け渡し期限から1年 石木ダム反対で集会 長崎・川棚ー
長崎県川棚町に、佐世保市の水道水確保と川棚町内の洪水防止を目的に建設中の石木ダムをめぐり、計画に反対する集会が28日、同町で開かれた。双方向のオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」も使って利水・治水両面を検証する中で「不要かつ不当な計画」とする意見が相次いだ。
水没予定地の川原(こうばる)集落13世帯の土地の明け渡し期限から1年がたったのを機に開かれた。会場の川棚中央公民館には、感染予防のため設けた上限を超える70人が詰めかけた。
Zoomで参加した京都大名誉教授の今本博健(ひろたけ)氏は7月の球磨川水害でも人命が失われなかった地域を例に「洪水は地震と違い、注意していれば数時間前には予測できるし、避難すれば命は守れる。だが、財産は川があふれなくても(排水路などの)内水氾濫(はんらん)で水につかる」。河川改修が進んだ川棚町内の近年の浸水は内水氾濫であり、ダムでは守れないと指摘した。
さらに新型コロナウイルスの支援策を例に「物的な被害は公的な補償をする制度をつくるべきだ」「『不要なダムのために川原の人たちを苦しめるのはやめてほしい』と長崎県知事に訴えたい。全国の河川工学者も、声を上げてほしい」と締めくくった。
利水面では反対運動の支援者が発表。佐世保市の最大給水量(日量)が人口減などで20年間で3割減なのに、将来の需要が急増する市の予測を批判した。
意見交換では、社会科見学で川原を訪れた長崎市の小学教諭が発言。児童にダム計画を説明してほしいと事前に県庁に打診したが「裁判の係争中なのでできない」と断られたと明かすと会場から失笑が漏れた。(原口晋也)
◆2020年11月30日 NHK長崎放送局
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20201130/5030009892.html
ー用地明け渡し期限1年で反対集会ー
長崎県と佐世保市が建設を進める石木ダムについて、建設用地の明け渡し期限から1年が経過したことを受けて、建設予定地の川棚町では、28日、建設に反対する集会が開かれました。
長崎県と佐世保市が水道水の確保や洪水対策を目的に、川棚町で建設を進める石木ダムをめぐって、県は、建設用地の収用を終え、去年11月には建物の移転などを伴う用地の明け渡し期限を迎えたことから、強制的な家屋の撤去などを伴う行政代執行の手続きに入れるようになっています。
今月18日で、明け渡し期限から1年が経過したことを受けて、地元・川棚町では、おととい建設に反対する住民や支援者などが集会を開き、オンラインも含めておよそ90人が参加しました。
集会では、オンラインで参加した河川工学などが専門の京都大学の今本博健名誉教授が「『治水』を出されると建設に反対しにくいが、他の方法でもでき、その方が安いのであればその方法を採用すべきだ」と指摘しました。
また、佐世保市の市民団体「石木川まもり隊」の松本美智恵代表は「水道水の需要の実績は減っているのに、佐世保市は右肩上がりの水需要の予測を出している」と指摘し、利水の面からも石木ダムは不要だと訴えました。
集会に参加した60代の女性は「自然を守りたい。話を聞いて、やっぱりダムは要らないと思った」などと話していました。
◆2020年11月30日 テレビ長崎
http://www.ktn.co.jp/news/20201130005/
ー「20年間で3割近く水使用量が減っている。これが現実」石木ダム問題を語り合う集会【長崎県川棚町】ー
長崎県と佐世保市が東彼杵郡川棚町に計画する石木ダムについて、今も建設予定地に住み続ける反対派の住民や河川の専門家などが集会を開きました。
川棚町で開かれた集会には反対派の住民や支援者のほか、長崎県外からのリモート参加も含め、約90人が出席しました。
建設予定地の住民で川棚町議会議員 炭谷 猛 さん 「やはり私たちは、きちんと石木ダム問題の本質というものを見ていかないと駄目ではないか」
長崎県と佐世保市が進める石木ダム事業をめぐっては、2019年9月、長崎県側が建設予定地・川棚町川原地区の住民の土地の所有権を取得。
強制的に住民を立ち退かせる「行政代執行」も可能となっています。
集会は土地の明け渡し期限から1年が経ったことを受けて開かれたもので、河川工学の専門家などが『石木ダムは治水・利水の両面で必要性がない』と訴えました。
京都大学 今本博健名誉教授 「私はダムによる治水というのは非常に危ない治水だと思う。そういうやり方を変えるべきではないか」
石木川まもり隊 松本 美智恵 さん 「20年間で3割近い水の使用量が減っている。これが佐世保の現実なんです。(川原地区の住民の)人権を奪って私たち佐世保市民のもしもの時の為にダムを作るという、その理由は全く認めるわけにはいかない」