2018年7月の西日本豪雨で高梁川水系小田川とその支流が氾濫し、岡山県倉敷市真備町地区はすさまじい被害を受けました。
真備町地区の住民らが国などに損害賠償を求めて、新たに4世帯9人が第3次の訴訟を起こしました。原告は計24世帯46人、賠償請求額は総額約8億6千万円になりました。
◆2021年3月3日 山陽新聞
https://www.sanyonews.jp/kikaku/news_detail/1105305
ー西日本豪雨 真備住民ら3次提訴 新たに4世帯9人、浸水賠償請求ー
2018年7月の西日本豪雨で倉敷市真備町地区を流れる小田川と支流が決壊し、甚大な浸水被害を受けたのは河川やダムの管理が不十分だったためとして、同町地区の住民らが国などに損害賠償を求めて岡山地裁に起こした集団訴訟で、新たに4世帯9人が3日までに、計約1億3280万円の賠償を求めて追加提訴した。
昨年4、7月に続く3次提訴で、原告は計24世帯46人、賠償請求額は総額約8億6千万円となった。
訴状では、小田川の治水工事を先延ばしした国の不作為をはじめ、上流にある新成羽川ダム(高梁市)の事前放流を適切に行わなかったとして国とダム管理者の中国電力(広島市)の過失を指摘。岡山県と倉敷市に対しても、堤防の切れ目をふさいで流水を防ぐ設備「陸閘(りっこう)」の運用が不適切だったと主張している。
◆2021年3月4日 毎日新聞岡山版
https://mainichi.jp/articles/20210304/ddl/k33/040/398000c
ー真備水害訴訟 9人提訴、原告46人に 請求総額8.6億円 17日初弁論ー
2018年7月の西日本豪雨で甚大な浸水被害が出たのは河川やダムの管理が不十分だったためとして、倉敷市真備町地区の被災住民が国などを相手取って損害賠償を求めている訴訟で、新たに9人の住民が3日、約1億3300万円の支払いを求めて岡山地裁に提訴した。20年4月、7月の提訴と合わせ原告は46人、賠償請求額は総額約8億6600万円となった。第1回口頭弁論は17日に開かれる。
この日は原告弁護団らが横断幕を掲げて岡山地裁に入り、訴状を提出した。原告側弁護団によると、提訴の期限は発生から3年の21年7月7日までで、次回の4次提訴で終了する見込み。原告として新たに参加する場合は4月ごろまでに申し出てほしいという。弁護団長の金馬健二弁護士は「発生から3年を迎えようとしているが、原因究明や責任の所在がはっきりしておらず、放置したらまたどこかで繰り返される。多くの人に参加していただきたい」と呼び掛けた。
訴状によると住民側は、国が過去の水害から高梁川と小田川の合流地点の付け替え工事の必要性を認識しながら実施していなかったほか、上流にある新成羽ダム(高梁市)の事前放流を指示しなかったとし、ダムを管理する中国電力も放流が不十分だったなどと主張している。【松室花実】