長崎県の石木ダム事業は、13世帯の住民がダム建設に反対し、事業用地での日々の暮らしを続けていますが、長崎県は今年度、本体工事費を計上しており、なんとしても今月中に本体工事着工への足掛かりをつかもうとしているのか、工事現場に座り込んで工事が進むのを必死に押しとどめている住民への圧力を強めています。
全国のダム建設地で、水没住民の泣き寝入りをさそう、あの手この手が繰り広げられてきました。人権を蹂躙するダム事業は、ダム建設に都合の良い法律に守られており、住民は徒手空拳で闘わなければなりません。長崎県は、住民がここまで抵抗しなければ強引な手法が可視化されずに済んだのに、と思っているでしょうか。
◆2021年3月25日 長崎新聞
https://this.kiji.is/747625338085474304
ー石木ダム建設事業 盛り土の範囲拡大 住民座り込み場所にー
長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業に伴う県道付け替え道路工事現場で、県側は24日、住民が抗議の座り込みを続ける区間で盛り土の範囲を拡大した。
現場では住民の座り込み場所周辺約140メートルの盛り土工事が遅れ、工期延長を繰り返している。2月から土のうを置いたりフェンスを立てたりして住民らの重機への接近を防ぎ、座り込み場所を両側から挟み込む形で徐々に盛り土の範囲を広げている。
同日早朝、住民らが来る前に新たな土のうや鉄パイプ製の構造物を設置。午前中に土砂を搬入して盛り土の範囲を10メートル弱広げた。盛り土をした逆の側には「無断入場者は退場させます」などと記した立て札を掲示し、ロープを張って規制。住民らの座り込み場所は10メートル前後に狭まった。
同ダムを巡っては水没予定地に反対住民13世帯が現在も居住。住民側は県との「話し合い」の条件として付け替え道路工事の中断を求めている。住民の岩下和雄さん(73)は「県に話し合う気はないようだ。県は自ら話し合いの可能性を閉ざしている」と話した。