八ッ場ダム事業によって水没区地周辺が付け替えられたJR吾妻線は、現在は名勝・吾妻峡の区間では長いトンネルを走りますが、付け替え前は吾妻川沿いの急峻な地形に第二次大戦中に設置された線路を走っていました。八ッ場ダム下流の東吾妻町では、この廃線を利用して自転車型トロッコを走らせる観光事業を始めています。これまでは名勝より下流のみで行われていましたが、今春より名勝の中の区間でも営業が始まりました。
自転車型トロッコ「アガッタン」のホームページはこちらです。
営業日、営業時刻、コースなどの詳細はこちらをご覧ください。予約は下記記事の末尾にも記載されている電話で申し込むことになっています。
◆2021年4月16日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/288057
ー八ツ場ダム直下の迫力 自転車型トロッコ「アガッタン」あす全面開業 吾妻渓谷の眺め楽しむ片道2・4キロー
八ツ場ダム(群馬県長野原町)の下流で東吾妻町が運営する自転車型トロッコが約800メートル延伸し、17日にダム本体のすぐ下までつながる新コースとして全面開業する。迫力あるダム堤体を見上げたり、吾妻峡の雄大な眺めを楽しんだりできる。開業を前にした15日、現地で試乗会が開かれ、地元関係者らがダム観光の新たな魅力を体験した。
トロッコの愛称は「吾妻峡レールバイク アガッタン」。利用者は電動アシスト付き自転車を基にしたトロッコをこぎ、ダム建設に伴って付け替えられた旧JR吾妻線の線路上を走る。トロッコで通過するトンネル内の補修工事やダム下工事が長引いた影響で、昨年中の全面営業を見合わせていた。
既存の渓谷コース(1.6キロ)を延伸した新コースは、ダム下までの片道2.4キロ(20~25分)。鉄道トンネルとして日本一短いことで知られた樽沢トンネル(7.2メートル)や、道陸神トンネル(432.4メートル)を通過する。
国名勝の吾妻渓谷の眺めや野生のサルが出没する山間部の自然を味わえるアウトドアレジャー。安全のため車間距離20メートルを確保することが求められており、新型コロナウイルスの感染予防対策にもなっている。
昨年(7~12月)は短距離運行で約3100人が利用し、今季はさらなる誘客を目指す。町まちづくり推進課は「空きがあれば当日でも乗車でき、ダム観光のついでに楽しんでもらえる」とする。12月中旬ごろまで運行を予定する。
運行は月金土日曜と、祝日。予約優先。大雨など悪天候の場合は運休する。2人一組か、補助椅子を使った3人一組で片道1台2000円。吾妻峡周辺地域振興センター近くの雁ケ沢(がんがさわ)駅か、ダム下に設けた吾妻峡八ツ場駅から乗車できる。
ゴールデンウイークや夏休み、紅葉シーズンの繁忙期のみ、距離が短い田園コース(往復1.6キロ、30分、1000円)も設ける。
問い合わせは吾妻峡周辺地域振興センター(0279-26-9431)へ。運休日は町役場(0279-68-2111)へ。(関坂典生)
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写真=ダム堤下流側。ダム堤にはエレベーターが設置されており、下流側に何本も橋が架けられ、周遊できることになる予定。自転車型トロッコ「アガッタン」の駅は写真左手。地下には県営八ッ場発電所。