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(株)電源開発、球磨川水害で損傷した瀬戸石ダムの運用継続

 球磨川の下流部にある電源開発(株)の瀬戸石ダムは、球磨川の自然に大きな影響を与えています。球磨川本流には、瀬戸石ダムの下流に同じく水力発電を目的とする熊本県営の荒瀬ダムがありましたが、荒瀬ダムは河川環境への悪影響を問題視する流域住民らの運動が実を結んで2018年に撤去が完了しました。
 荒瀬ダムに続き、撤去運動が続いてきた瀬戸石ダムは、昨年7月の球磨川水害で大きな損傷を受け、水害を増大させたのではないかと問題視する住民も少なくありません。このため、この際、ダム撤去に進むべきだという世論が大きくなってきました。ところが、4月28日付けで電源開発が発表した下記の「瀬戸石ダム・発電所の状況について」を読むと、今後も存続することになっています。
 荒瀬ダムと同様、1950年代に建設された瀬戸石ダムは堆砂が進み、プラス面よりマイナス面の方がはるかに大きいのですから撤去すべきですが、瀬戸石ダムの動向が他のダムに影響を及ぼすのを恐れてか、昨年の水害で改めて危険性が浮き彫りになっても問題を先送りにするようです。
 

★電源開発株式会社ホームページよりニュースリリース
 「瀬戸石ダム・発電所の状況について(2021年4月付)」2021年4月28日

 当社瀬戸石ダム・発電所(熊本県葦北郡芦北町・同球磨郡球磨村)の、球磨川流域の安全・安心に向けた取り組み状況、復旧作業状況等についてお知らせいたします。

1.流域の安全・安心に向けた取り組み状況
  1.瀬戸石調整池の土砂排除
    道路の復旧状況等を見極めつつ、鋭意工事を進めてまいりました結果、当初の予定を上回る量を排除しました。今後も計画的な排除を実施してまいります。【資料1】

  2.瀬戸石ダムの運用について
    瀬戸石ダムは、引き続き今年の出水期もゲートのフルオープンの状態が続く予定です。降雨時の河川流量の増加につきましてはご注意ください。
令和2年7月豪雨時においては、事前にダムの水位を通常よりも低下させておりましたが、発電再開後はこれまでよりも更にダム水位を低下させ、空き容量を拡大できるように周辺設備の改造に着手しました。

  3.ダム操作体制の強化
    令和2年7月豪雨と同程度あるいはそれ以上の出水が発生した場合にも適正に対応できるよう、通知・通報を含むダム操作体制および操作設備の強化・改善ならびに改造の準備を進めております。

  4.下流警報設備の改善
    今年の出水期前(2021年5月末)を目途に、故障した警報設備機器の復旧にあわせ、取付け位置を可能な範囲で高く設置するなどの改善を順次実施しております。
また、完了後、警報設備の試験放送を計画しており、合わせて警報設備の吹鳴方法などの改善に取り組んでおります。【資料2】

2.瀬戸石ダム・発電所の復旧作業状況等
  〇取放水口、発電所内に流入しました土砂の撤去は全て完了しました。【資料3】
  〇発電機は本体の解体、洗浄作業を行い、機器を確認した結果、一部機器の補修、取り換えを行うことといたしました。
  〇ダムの連絡橋につきましては、引き続き緊急車両・許可車両のみ、徐行運転にて通行が可能です。

 当社は、今後も流域の皆さまの安全・安心のために必要な対応や改善を継続しながら、早期の発電再開を目指してまいります。  以上

添付書類
本文(PDF:222KB)

【資料1】 瀬戸石ダム 堆砂量および堆砂排除の実績(PDF:696KB)

【資料2】 瀬戸石ダム下流警報設備の復旧(PDF:653KB)

【資料3】 瀬戸石ダム・発電所 復旧作業状況(PDF:280KB)

—転載終わり—

 流域住民のツイートより