八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

川原湯温泉・山木館、代替地で再開

 八ッ場ダムの水没予定地、川原湯温泉にあった老舗旅館、山木館が今月26日に再開されます。八ッ場ダム事業では集落を水没線より上の代替地に再建する「現地再建ずり上がり方式」が採用されており、新旅館は川原湯温泉の再建地、打越代替地の中ほどにあります。正面には、付け替え国道からのアクセス道路となる湖面一号橋が建設中です。
 17日には、新旅館のお披露目が行われました。

◆2013年9月18日 上毛新聞
http://www.jomo-news.co.jp/ns/7013794313291715/news.html

ー川原湯温泉350年の老舗「山木館」 代替地に新旅館完成 ー

 八ツ場ダム(長野原町)水没予定地の川原湯温泉で350年の歴史を持つ老舗旅館「山木館」が17日、代替地に完成した新旅館を公開した。
 これまでの雰囲気を残すため、旧旅館にあった家具の一部を持ち込んだほか、豊かな緑に囲まれた雰囲気を再現しようと200本以上の樹木を植えた。新天地での再出発に14代目の樋田洋二さん(66)は「ここからまた、新たな歴史を重ねていきたい」と話している。

 新旅館は木造一部2階建て。全8室の客室の坪庭には、夏櫨なつはぜ、冬青そよごといった客室名と同じ樹木を植えた。男女別の内湯と露天風呂、貸し切り風呂があるほか、風呂付きの客室も2部屋ある。正式開業は26日。

 再開を心待ちにする常連客からの要望も。「今までの雰囲気を残してほしいという声があった」と、おかみの樋田文子さん(65)。ゆったりと落ち着ける空間にすることに気を使い、「水車とムササビの宿」として知られた旧旅館から家具やいろり、置物を運び、客室の梁などには民家の古材を使った。
 水没予定地にあった土蔵を活用した図書館には、長野原町誌や八ッ場ダムに関わる書物、かつて同旅館に滞在した田河水泡の「のらくろ」などが並ぶ。
 かつての宿泊客には旅館再開の案内を出した。再開初日の26日は、予約で満室になったという。
 営業再開を控え、洋二さんは「立派な建物ができたが、それを生かしていけるかどうか。新しい環境で軌道に乗せるのは大変だが、やるしかない」と前を向いた。
 代替地で営業再開する川原湯温泉旅館は、やまた旅館に続いて2軒目。

 (ネット記事は新聞掲載記事が一部省略されています。)

◆2013年9月27日 読売新聞群馬版
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20130926-OYT8T01411.htm

 -八ッ場の宿・山木館 高台の代替地で再開ー

 八ッ場ダム(長野原町)が完成後に水没する川原湯温泉で約350年の歴史を持つ老舗旅館「山木館」が26日、高台の代替地で営業を再開した。代替地での旅館営業は、「やまた旅館」に次いで2軒目。

 山木館は6月に旧旅館を休業し、移転の準備を進めていた。

 新築された山木館は、木造一部2階建てで全8部屋。落ち着いた和風建築で、古民家の木材などで造った図書棟や貸し切り風呂も設けた。客室には「山紅葉」「黒文字」など庭に植えた植物の名前を付けた。

 営業再開の初日は常連客ら約20人で満室に。14代目経営者の樋田洋二さん(66)は、館内を案内した客から「新しい歴史を作っていってください」と激励を受けていた。

 山木館はオープン記念として、12月30日まで正規料金より1人当たり3000円割り引くサービスを実施している。樋田さんは「施設が新しくなって勝手が違うが、早く慣れてお客さんに普通のおもてなしをできるようにしたい」と気を引き締めていた。

 代替地では今夏、土産屋も営業を再開。今後も現温泉街からの旅館の移転が予定されている。