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県知事就任の大石氏、石木ダム予定地を初訪問、住民と面会(長崎新聞・毎日新聞)

 さる2月20日の長崎県知事選で初当選した大石賢吾知事が長崎県東彼川棚町の石木ダムの工事現場を訪れ、反対住民と初めて面会しました。テレビ報道に続き、紙面でも報道されています。

 大石氏は前知事に対抗するため、自民党長崎県連の支援を受けたため、選挙公約に「石木ダムの早期完成」を掲げましたが、ダムに反対する佐世保市の市民団体は知事交代により、ダム予定地住民に寄り添う県政となることを期待するブログを発信しています。
「大石知事こうばるへ!」(石木川まもり隊ブログ)

 新知事が石木ダムの完成を前提にせずに、反対住民の方々と真摯に話し合いをすることを祈るばかりです。

◆2022年3月11日 長崎新聞
https://nordot.app/874817892835442688?c=174761113988793844
ー大石知事「話し合いに向け調整したい」 石木ダム反対住民と面会ー

 大石賢吾知事が10日、長崎県東彼川棚町の石木ダム建設工事現場を訪れ、座り込みを続ける反対住民と初めて面会した。水没予定地に暮らす住民と知事の面会は、2019年9月に中村法道前知事が県庁で会って以来2年半ぶり。現地では14年7月以来7年8か月ぶりとなった。

 午前10時半、大石知事はダム本体予定地近くの座り込み現場に着くと、車を降りて住民らに駆け寄った。約30人を前に就任あいさつをし、「大変な思いをさせ心苦しく思う。一緒に解決できるよう話し合いに向け調整したい」と伝えた。

 面会は約4分間。住民の岩下和雄さん(74)が「工事を止めて話し合いを。私たちはいつでも応じる」と求めると、知事は「話し合いができるように調整したい」と応じた。岩下すみ子さん(73)は「(水没予定の)川原(こうばる)は本当にきれいなところ。ぜひ歩いてみて。私たちがなぜ頑張っているのかを見てほしい」と呼び掛け、知事は「見て回りたい」と答えた。

 終了後、知事は報道陣に「時間の都合であいさつだけになったが、あらためて対話の機会をつくりたい」と話した。住民側が求めている工事中断については「どういう形で話し合えるか検討したい」と述べるにとどめた。一方、岩下和雄さんは「前知事のように『工事と並行して』では困る」とくぎを刺す。

 石木ダムは1975年度に事業採択。土地収用法に基づき県が全用地の所有権を取得した後も13世帯が暮らす。県は2025年度完成を目指し、昨年9月に本体工事に着手した。
 早期完成を公約に掲げる大石知事は、家屋を強制撤去する行政代執行を「最後の手段」とし、対話での解決を目指す考え。就任会見で「できる限り早く現地を訪れたい」と話していた。
 県はこの日の午前中に限り、全工事を止めた。

◆2022年3月11日 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220311/ddl/k42/040/403000c
ー石木ダム建設 「解決向け対応したい」 反対派住民と大石知事面会ー

 県と佐世保市が川棚町で建設を進める石木ダムを巡り、今月就任した大石賢吾知事が10日、ダムの建設予定地を初めて訪れ、建設に反対する水没予定地の住民らと面会した。大石知事は「皆さんに大変な思いをさせていることを心苦しく思っている。解決できるようにしっかり対応していきたい」と述べた。

 県河川課によると、現地を訪れたいとの知事の強い意向を8日に住民側に伝え、面会が実現した。知事と住民の面会は2019年9月以来約2年半ぶり。知事が現地入りしたのは14年7月以来となる。

 大石知事は水没予定地に住民が建てた団結小屋前で住民約40人と面会した。住民の岩下和雄さん(74)は「工事を一時中断しても話し合いはできるはず。私たちはいつでも応じる」と話し合いの場の設置をもちかけた。大石知事は「話し合いができるようにしっかり調整したい」と応じた。

 面会は5分足らずで終わり、大石知事は記者団に「真摯(しんし)に古里のことを思っていらっしゃる方々と改めて思った。『この土地を歩いてほしい』と言ってもらえたので時間を作って訪れたい」と語った。

 かつて初当選した知事が、現地を訪問した直後に強制測量や県道付け替え工事に着手した経緯を踏まえ「何か考えがあるのか」と記者団に問われると、「決まったものがある訳ではなく、今回はあいさつだけということで時間をいただいた」と説明した。

 石木ダム建設を巡っては、県は水没道路の付け替え工事を進めており、昨年9月には石木ダムの本体工事に着手。水没予定地には13世帯約50人が住んでいるが、土地の権利は消滅しており、県が住民を家屋から排除する行政代執行に踏み切れる状態になっている。

 大石知事と面会した岩下さんの妻、すみ子さん(73)は「ダム建設を中止して県政を大きく変えてほしい。私たちはここで普通の暮らしがしたいだけ。話し合いを重ねるとおっしゃったので信じるしかない」と語った。【綿貫洋、中山敦貴】