南摩ダム(独・水資源機構の思川開発事業)定礎式

 さる3月12日、栃木県鹿沼市で南摩ダムの定礎式が行われたことが報道されています。
 南摩ダムをめぐって栃木県では反対運動が続けられてきましたが、残念ながら止める術がないまま本体工事が始まっています。

 南摩ダムの事業主体は、かつては水資源開発公団と呼ばれた独立行政法人・水資源機構です。関東地方では八ッ場ダムに続く利根川水系の巨大ダム建設ですが、ダム建設地を流れる南摩川は、利根川の支流・渡良瀬川の支流・思川のそのまた支流です。小川といっても差し支えないほど小さな川で、ダム建設地の上流から流れ込む水を貯めただけではダムを満たすことができないため、ダム計画を実現させるためには思川の他の複数の支流から導水しなければなりません。このため、これらの導水事業と一体となったダム建設が思川開発事業として進められてきました。

 国と共に事業費を負担するのは、地元の栃木県だけでなく、埼玉県、千葉県(北千葉広域水道企業団)、茨城県の古河市、五霞町です。これらの地域の水道事業では、水あまりが年々顕著になっていますが、国はダムの開発水を押し売りすることで事業を成り立たせています。
右図=(独)水資源機構 思川開発建設所ホームページより 「水道用水の供給」

★参考ページ
 (独)水資源機構 思川開発建設所ホームページ
 https://www.water.go.jp/kanto/omoigawa/jigyou/gaiyo.htm

◆2022年3月13日 下野新聞
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/564635?top
ー南摩ダム 本体工事本格化 24年度完成へ定礎式 鹿沼ー

 国土交通省が進める鹿沼市の思川開発事業(南摩ダム)で12日、定礎式が行われた。ダムの本体工事は2020年12月に開始し、掘削などが終了。今後は本体の建設を本格化させ、24年度末の完成を目指す。

 同事業は、実施に向けて1969年に計画調査がスタート。調査以降、地元では住民による反対運動が続き、約20年前に水没予定地の住民の集団移転が始まった。その後、旧民主党政権下での事業一時凍結などの曲折を経て、2016年に継続が決まった。

 定礎式は建設現場で行われ、福田富一(ふくだとみかず)知事や佐藤信(さとうしん)鹿沼市長、本県選出の国会議員ら関係者約120人が出席した。福田知事らがダムの掘削時に出た砂利を礎石の周りに盛るなどし、工事の安全を祈願した。

 福田知事は「気候変動で水害が頻発する中、ダム建設が進むことは意義深い。治水、利水の両面から大いに力を発揮することを期待する」とあいさつした。

 南摩ダムは思川支流の南摩川に建設し、付近の黒川と大芦川が地下トンネルで結ばれる。高さ86・5メートル、総貯水量は5100万立方メートルとなる予定。総事業費は約1850億円。

◆2022年3月13日 毎日新聞栃木版
https://mainichi.jp/articles/20220313/ddl/k09/040/067000c
ー南摩ダム定礎式、工事の安全祈願 25年完成予定 鹿沼ー

 鹿沼市上南摩町の思川開発事業(南摩ダム)の建設現場で12日、本格的な工事が始まるのを前に定礎式が開かれた。関係者ら約80人が出席し、工事の安全を祈願した。

 事業は洪水被害の軽減や水道用水の供給などを目的に、1969年に実施計画調査が始まった。民主党政権下で計画見直しとなり一時凍結されたが、2017年に再開した。

 ダムは高さ86・5メートルで、総貯水量は5100万トン。黒川、大芦川を2本の地下導水路で結ぶ。総事業費は約1850億円で、25年3月に完成する予定。

 式典では、約260キロの御影(みかげ)石でできた礎石をダムの堤体中心部分に埋め込んだ。独立行政法人・水資源機構思川開発建設所の阪元恵一郎副所長(54)は「引き続き工事を安全に続け、完成後は地域振興や活性化にも寄与できれば」と話した。【渡辺佳奈子】

◆2022年3月12日 テレビ栃木
https://news.yahoo.co.jp/articles/d42d64a4301379386891e10946f3fb84b8255f9a
ー工事本格化を前に 南摩ダムで定礎式 鹿沼市ー

 鹿沼市で建設が進められている南摩ダムの工事が本格化するを前に、地域の人たちの協力に感謝し今後の安全を祈る「定礎式」が12日、行われました。
 威勢のいい掛け声に合わせて「南摩ダム 定礎」と記された礎石が運び込まれます。

 南摩ダムの建設は、水資源機構が利水や防災を目指して進める、思川開発事業の中核となるもので1969年に実施計画調査が始まりました。その後、計画の変更や検証などを経て2020年12月にダム本体の工事に着手、2025年の完成を予定しています。

 建設に当たっては2008年にはこの地区に住む80世帯が移転を完了していて、式典では水資源機構の金尾 健司理事長が地域の人々に感謝を示しました。そして福田 富一知事や県選出の国会議員などが運び込まれた礎石にスコップで砂をかけたり木槌でたたいたりする儀式を行いました。

 最後に無人操縦の重機でダムの材料となる石をかぶせて地中へと納め、今後の安全を祈願しました。

 南摩ダムは「CFRD形式」と呼ばれる一般的なダムの工法を採っていますが、本格的なダムとしては国内で初めて重機などを活用した近代的な施工方法を導入しています。完成すれば洪水の際に東京ドーム4杯分の水をためることができるということです。