2020年の球磨川水害では、老朽化した(株)電源開発の瀬戸石ダムが水害を拡大させたという指摘があります。しかし、国も熊本県も瀬戸石ダムの水害への影響を調査しないまま、瀬戸石ダムの再開を認めてしまいました。電源開発は全国に古くから数多くの水力発電ダムを抱えており、他のダムでも堆砂などの問題があることから、瀬戸石ダムの問題が明るみに出ると、他にも飛び火する可能性があります。
もともと球磨川流域では、球磨川の流れを遮る瀬戸石ダムの撤去を求める粘り強い運動があります。ダム再開にあたり、被災住民らは抗議集会を開いたとのことです。
◆2022年4月3日 熊本日日新聞
ー瀬戸石ダム再稼働に地域住民ら抗議集会 八代市ー
球磨川中流域の瀬戸石ダム(熊本県芦北町、球磨村)の発電再開に抗議する集会が2日、八代市の桜十字ホールやつしろであった。流域住民ら約60人が参加し、ダムの危険性や問題点などを訴えた。市民団体「瀬戸石ダムを撤去する会」主催。
同ダムは電源開発(Jパワー)が管理。3月末までに堆積土砂の撤去を終え、今春の発電再開を計画している。
集会で球磨村神瀬地区の住職、岩崎哲秀さん(48)は「平常時から神瀬地区には土砂が堆積する。国などはダムによる治水の安全性は伝えてくれるが、危険性については語ってくれない点に危機感を抱いている」と指摘した。
坂本町荒瀬の溝口隼平さん(40)は「豪雨当日は、瀬戸石ダムの緊急放流の放送やダムが越流したという情報が下流の住民に届かず非常に危険だった。再稼働なんてとんでもない」と批判した。
ダムの撤去を求める集会宣言文も採択。閉会後、参加者たちはプラカードや横断幕を掲げて市中心部を練り歩いた。(緒方李咲)
—転載終わり—
集会の主催者が集会資料や当日記録した動画を公開しています。
★集会資料(式次第、集会宣言文案、中島熙八郎教授配布資料、瀬戸石ダム撤去を求める署名用紙)
http://kawabegawa.jp/setoishi/20220402SHUKAISHIRYO.pdf
★動画
前半:https://youtu.be/0OWC869ffIc
後半:https://youtu.be/FNjRl6IZSU4