群馬県が八ッ場ダム直下の地下に2021年に完成させた水力発電所で、4月22日より一般見学者向けに施設を公開すると、地元紙が報じています。昨年10月、年度内に水力発電をPRする「プロジェクションマッピング」を開始する予定でしたが、コロナ禍もあったせいか開始が遅れたようです。
◆2022年4月14日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/101707
ー八ツ場の水力発電 仕組みをプロジェクションマッピングで 22日から施設を開放ー
水力発電のPRのため群馬県企業局は22日から、八ツ場ダム(長野原町)直下の八ツ場発電所で、水力発電の仕組みや魅力を映すプロジェクションマッピングの投影を始める。見学者向けに施設を開放し、観光振興にもつなげる。
主要設備のある地下3階の水車発電機室で、壁面と水車などの設備に5分間の映像を投影する。水流などを表現し、水車やドラフト管などの働きを視覚的に理解できる。
同日から金、土、日、月の各曜日と祝日の一般見学が始まる。1日5回で見学全体の所要時間は約30分。当日の見学開始15分前から受け付ける。
経営戦略課は「安全のため歩きやすい靴や服装と、発電所が用意するヘルメットの着用をお願いしたい」と呼びかけている。問い合わせは県吾妻発電事務所(電話0279-75-2746)へ。
—転載終わり—
八ッ場ダムが建設された利根川支流の吾妻川では、昭和時代初期から水力発電が盛んに行われてきました。八ッ場ダム完成前、ダム貯水池区間の吾妻川の水は、山中につくられた導水管を利用して東京電力の発電所に送られ、川の勾配による高低差を利用した水路式の水力発電が行われていました。ダム完成後は、ダムに貯水するため従来の導水管を流れる水量が大幅に減ることになりました。これを補うため、直下の発電所と下流の東京電力・水力発電所を結ぶ導水管が新たに建設されています。
一般に、ダムは水力発電を生み出すことが目的の一つと考えられていますが、八ッ場ダムの場合は、水力発電量を減らさないために新たな導水管建設が必要になったわけです。しかし、ダムを建設した国土交通省も水力発電所を作った群馬県も、この事実は伏せたままです。