ダム湖畔の代替地に移転した川原湯温泉の旅館の中で、最も熱心にアピールしていた老舗の山木館ですが、5月21日より休業となりました。
ダム事業が延々と続き、川原湯温泉の代替地でも工事車両が行きかう状況が続き、その間、割引料金で営業していた山木館は、ようやく正規料金に改めた直後にコロナ禍にみまわれました。集客のためにコロナの語呂合わせで5670円の割引を適用するなど、15代目の若旦那さんがネット上でもツイッター等で積極的にアピールしていましたが、5人の従業員を抱えての営業継続が難しくなったとのことです。
★山木館ホームページ
http://yamakikan.jp/
川原湯温泉の代替地では、山木館のほかに5軒(やまた旅館、丸木屋旅館、ゆうあい旅館、民宿山水、湯宿やまきぼし)の宿が営業を続けています。これらの宿は家族経営です。
★川原湯温泉協会ホームページ
http://www.kawarayu.jp/
関連記事を転載します。
◆2022年5月22日 上毛新聞
ー川原湯温泉の山木館が一時休業 常連客「再開したら飛んでくる」ー
川原湯温泉で最も古い約360年の歴史がある山木館(群馬県長野原町川原湯)が21日、休業に入った。コロナ下で経営が悪化したことから、一時休業してサービス内容などを見直す。最終日は常連客らが宿泊し、早期の事業再開を望んでいた。
休業について、15代目の樋田勇人さん(27)は「希望を持って次に向かうための準備期間。歴史や思いを引き継ぎつつ宿の形を時代に合わせたい」と話した。
同館は1661年創業。八ツ場ダム建設に伴い2013年に高台に移転した。1泊2食付き1人2万~3万円の高級路線で正社員5人を雇うなど同温泉では規模の大きな宿だったが、コロナ下で人件費が負担となり、今年3月下旬に一時休業を決めた。
常連の鈴木光夫さん(68)、優子さん(68)夫妻=千葉県茂原市=は最終日に宿泊した。温泉や朝食の栗おこわが気に入って年2回は訪れるという。2人は「建物も素晴らしく、こうした宿はなかなかない。再開したら飛んでくる」と惜しんだ。
同館は高級路線のしつらえは維持しつつ、家族でおもてなしをするようなアットホームな雰囲気の宿に転換する。樋田さんは「お客さんに満足してもらえるか、経営は成り立つのかいろいろ考える。早ければ年内に再開したい」と展望している。