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成瀬ダム工事現場ツアーの記事

 国土交通省が秋田県東成瀬村(雄物川水系成瀬川)に建設中の成瀬ダムが2026年度完成をめざして工事中とのことです。

◆2022年6月28日 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/local/akita/news/20220627-OYTNT50379/
ー成瀬ダム工事現場ツアー 55トントラックや無人重機ー

 東成瀬村で4年後の完成に向けて建設が進む成瀬ダムの工事現場を見学する無料のバスツアーが行われている。先端技術を駆使して巨大なダムを造り上げる様子を間近で見る、迫力いっぱいの45分間だ。
 国土交通省成瀬ダム工事事務所が「なるせダムアドベンチャーバスツアー」と題して企画した。

 同ダムは国直轄事業で総事業費は2230億円。工事が本格化し、現場では普段見ることができないような大型重機が稼働しているという。
 ツアーは、ダム上流の展望台を発着し、同事務所職員の説明を受けながら通常は立ち入りできない工事現場を巡る。巨大動物のような55トントラックとすれ違ったり、重機が遠隔操作で無人走行する様子を見たりし、非日常的な冒険気分を味わえる。
 工事中の今しか見ることができない光景とあって、県外から参加するダムファンも。新潟市の男性(50)は「ここは規模がすごい」と満喫した様子。現場の様子は日々変わるため、同事務所は「何度でも参加して見てほしい」としている。

 一般向けツアーは今月11日に始まった。隔週土曜の開催で、来月は9、23日に予定している。10月まで。出発時間は午前9時半、同10時半、同11時半、午後1時半、同2時半、同3時半の計6回。定員は各回10人で先着順に受け付ける。
 参加希望者は、同事務所ホームページに掲載されている申込書に記入し、メールかファクスで送る。
 問い合わせは同事務所(0182・23・8450)へ。

—転載終わり—

 以下は嶋津暉之さん(水問題研究家、水源開発問題全国連絡会共同代表)の解説です。

 成瀬ダムは昨年(2021年)6月に工期が2024年度から2026年度に延長され、事業費が1530億円から2230億円へと、700億円も増額されることになりました。 
 http://suigenren.jp/news/2021/06/06/14684/

 完成予定まであと4年というところで700億円も増額するのですから、ダム事業者がやりたい放題という感じがします。

 成瀬ダムは治水利水の両面で必要性がないダムです。
 参考ページ➡「成瀬ダムは本当に必要ですか?」

 成瀬ダムを中止させるべく、地元住民が2009年に工事差し止めを求める住民訴訟を起こして闘い続けました。水源開発問題全国連絡会もこの裁判に関わりました。
 ➡「成瀬ダムの裁判での証言」

 しかし、2015年4月に仙台高等裁判所秋田支部で、住民側敗訴の判決が出ました。まことに残念なことですが、裁判で成瀬ダムを中止させることができませんでした。

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〈参考ページ〉「成瀬ダム」建設を考える(成瀬ダムをストップさせる会)
       http://www.rnac.ne.jp/~oshu/naruse-dam/index.html

       「赤滝へ昇った能恵姫の悲話」
       http://www.rnac.ne.jp/~oshu/naruse-dam/akataki.htm