さる7月22日の鬼怒川水害判決は、住民側の訴えが一部認められ、河川管理者である国に賠償を求めるものでした。
この判決について、国交省がどのように対応するか、まだ発表されていません。26日の記者会見では、斎藤国交大臣が「判決内容を慎重に精査した上で関係機関とも協議し、今後の対応を検討する」と説明しています。
発言要旨を関連記事と共にお伝えします。
◆斎藤国交大臣の会見(7/26)の要旨より 鬼怒川水害判決に関する部分を抜粋
https://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin220726.html
(問)先週、2015年の関東・東北豪雨で被災した茨城県常総市の住民らが、国を相手にした訴訟で、水戸地裁が国の責任を一部認める判決を出しました。
これに関する受け止めと国土交通省の対応をまずお願いします。
(答)平成27年9月関東・東北豪雨により被災されたすべての方々に改めて御見舞いを申し上げます。
先日22日に、鬼怒川の氾濫被害にあわれた住民の方々が国の河川管理に瑕疵があったとして損害賠償を求めた訴訟について、原告らの請求を一部認容するとの水戸地裁の判決がありました。
今後の取扱いについては、判決内容を慎重に精査し、関係機関と協議の上で適切に対処していきたいと考えています。
よろしくお願いします。
(問)常総の裁判について質問です。
判決では堤防の隣接地についても、被害の予見可能性がある場合には、その区域も河川区域に指定すべきという判断が示されました。
これについての受け止めと、今後の河川計画への影響について現時点での見解をお願いいたします。
(答)受け止めですが、国の主張が認められなかったことについては大変残念に思っていますが、御指摘の点も含め判決内容を慎重に精査した上で関係機関とも協議し、今後の対応を検討するとともに、引き続き適切に河川整備を進めてまいりたいと考えています。
(問)控訴等、裁判の対応についても適切に今後検討して対処していくということでしょうか。
(答)今回の判決の内容を精査して、関係機関とも協議しながら、対応を検討していきたいと思っています。
◆2022年7月26日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220726/k10013736231000.html
ー鬼怒川水害訴訟で賠償命令「主張認められず大変残念」国交相ー
7年前の豪雨による鬼怒川の氾濫で浸水被害が出た茨城県常総市の住民などが国を訴えた裁判で河川を管理していた国に賠償を命じる判決が出たことについて、斉藤国土交通大臣は「国の主張が認められなかったことについて大変残念に思っている。関係機関と協議のうえで適切に対処していきたい」と述べました。
7年前の「関東・東北豪雨」で氾濫した鬼怒川の河川管理などをめぐり、浸水被害が出た住民などが国に賠償を求めた裁判で、水戸地方裁判所は今月22日、国の河川管理に問題があったと認め、原告の一部に賠償するよう命じる判決を言い渡しました。
これについて斉藤国土交通大臣は26日の記者会見で、控訴など今後の裁判への対応を問われたのに対し、「今後の取り扱いについては判決内容を慎重に精査し、関係機関と協議のうえで適切に対処していきたい」と述べるにとどまりました。
また、今回の判決を受けた今後の河川整備への影響については、「国の主張が認められなかったことについて大変残念に思っているが、関係機関とも協議したうえで今後の対応を検討するとともに引き続き適切に河川整備を進めていきたい」と述べました。