八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

河川工作物と生き物の関わり 動く川に「ざわめく自然」は宿る ~流域治水における環境の位置~-10/8 オンラインと会場のハイブリッド開催

「気候危機と水害:ダムで暮らしは守れるか?」と題する連続セミナーを企画してきた実行委員会より、新たな企画のお知らせです。

 詳細は同実行委員会のホームページをご覧ください。
 https://kawabegawa.jp/savekawabe/

 動く川に「ざわめく自然」は宿る ~流域治水における環境の位置~

■日時:
2022年10月8日(土) 14時~16時 ※オンラインと会場のハイブリッド開催

■話し手:森 誠一さん
 岐阜協立大学地域創生研究所・教授、越前大野市「イトヨの里」館長。
 理学博士(京都大学)。専門は進化生態学、社会行動学。国土交通大学校などでも講義。
 日本魚類学会自然保護委員会委員長、生き物文化誌学会理事などを務める。第12回生態学琵琶湖賞受賞。

 自然が加速的に人工化される現状のなかで保全を考え、河川工学や土木行政、民俗学および同位体環境学の視点を網羅し、実際の保全活動において拡張中。また、震災前から現在まで岩手県大槌町で湧水生態を継続調査し、復興に地域特性を活用すべく「郷土財活用エリア」を提唱し、産業振興・教育行政事業に参画。国交省河川整備基本方針小委員会、熊本県荒瀬ダム撤去フォローアップ委員会などの行政委員を務める。

 著書に『トゲウオのいる川』中央公論社、『トゲウオ、出会いのエソロジ—』地人書館、『トゲウオの自然史』北海道大学図書刊行会、『環境保全の理論と実践4巻』『希少淡水魚の現在と未来』信山社、『適応放散の生態学』(翻訳)京都大学学術出版会、『天恵と天災の文化誌』東北出版企画、『なまずの博覧誌』誠文堂新光社、『淡水魚保全の挑戦』東海大出版など。NHK「生き物地球紀行」や「ダーウィンが来た」、映画『はりんこ ざわめく自然』など監修・製作し、自然環境の保全に向けて周知・啓発を継続している。

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 川の直線化やコンクリート化は私たちの暮らしや生き物にどのような影響を与えてきたのでしょうか?
 「動く川」と「動かない川」とでは、そこに暮らす生き物たちはどのように異なるのでしょうか?

 日本は山の国であると同時に「川の国」です。

 長い歴史の中で、川は人の生活・歴史・文化と培う風土を造る一方、洪水による水害ももたらしてきました。そのために近年は治水・利水のみが重要視され、川が持つ多様な機能は忘れ去られています。

 川の直線化やコンクリート化は私たちの暮らしや生き物にどのような影響を与えてきたのでしょうか?

 近年の河川環境の悪化は顕著であり、川はますます日常生活から遠くなり、私たちは生き物と風土が創ってきた「自然のざわめき」を感じることができなくなっています。

 その根底にある「動く川」とは何でしょうか。

 そこに住む人や生き物の視点で、流域治水を考える上で重要な、これからの河川との付き合い方について考えたいと思います。