川辺川ダム計画が復活するきっかけとなった、2020年7月の球磨川水害。水害激化の重要な要因として流域の市民団体等が訴えてきたのが、急速に進行している森林の皆伐、過伐による森林の保水力の低下です。
流域の森林の実態や、現地調査を行ってきた専門家の見解などを紹介した記事が朝日新聞で連載されています。球磨川水害との関連で森林の実態が取り上げられることは、これまであまりありませんでしたが、重要な視点だと思います。
★朝日新聞連載 (てんでんこ)山が崩れる
1.2022年9月27日 (てんでんこ)山が崩れる:1
2.2022年9月28日 (てんでんこ)山が崩れる:2
3.2022年9月29日 (てんでんこ)山が崩れる:3
この連載記事について水問題研究家の嶋津暉之さんがメーリングリストにコメントを投稿していますので、紹介します。
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皆伐はここ数年、北海道、東北、北関東、九州を中心に広がってきています。
この記事は、その背景に国の政策があるとして、その発端は2009年、民主党政権が「コンクリート社会から木の社会へ」とうたい、20%台だった木材自給率を「10年後に50%以上」とする目標を掲げたことにあるという書き方をしていますが、それはどうでしょうか?
問題は木材自給率の向上がなぜ、皆伐の拡大に直結してしまったかです。この記事はその問題の掘り下げがされていません。
この問題の根源は2010年代に林野庁が打ち出した「新たな森林管理システム」 にあるのではないでしょうか。
https://www.rinya.maff.go.jp/shikoku/attach/pdf/index-56.pdf
次の論考を読むと、そのように思います。
★「新たな森林管理システム」の問題点と3つの提言(2018 年)
(自伐型林業推進協会 代表理事 中嶋 健)
林野行政の問題点について詳しい方に解説していただきたいと思います。