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名古屋市の河村市長容認の木曽川導水路計画(続報)

 さる2月14日に名古屋市の河村市長が方針転換を表明したことで、徳山ダムの水を愛知県、三重県、名古屋市が利用することを目的とした木曽川導水路事業が動き出す気配です。第一報を以下のページでお伝えしました。
 
「名古屋市 河村市長 撤退宣言から一転容認へ 徳山ダムから水引く木曽川導水路計画」
 https://yamba-net.org/59584/

 河村市長は名古屋市水道は水余りなので、不要な徳山ダムの水を利用するために高額な木曽川導水路事業を行うことには反対したのですが、名古屋市水道の水需要の減少は当時よりさらに進んでいます。この10年間で一日当たり約10万㎥減少していることが、同市の以下の資料でわかります。

★名古屋市上下水道局 令和3年度 水道・工業用水道・下水道事業年報(24ページより)
 https://water.city.nagoya.jp/file/41219.pdf

 また、毎日新聞に詳しい記事が載っていましたので、追加情報としてお知らせします。
 木曽川導水路事業については、河村市長と共に愛知県の大村秀章知事が見直しを公約に掲げて11年の知事選で初当選していますが、この記事によれば大村知事は「特にコメントはない。容認ではなく転換だと聞いたが、それはそれで市の一つの考え方ではないか」「国は民主党政権のもとで見直し、検証委員会で事業検証してきた。引き続き予断を持たずに検証してほしい」と述べたということです。

★2023年2月15日 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20230215/ddq/041/010/003000c
ー徳山ダム導水路、一転容認 名古屋市長、治水対策などー

(一部引用)
 08年に本格稼働した徳山ダムを巡っては、治水や利水目的で国と愛知、岐阜、三重3県、名古屋市が事業費を負担。市は1972年度の水需要予測で85年度に1日224万トンの利用を見込んだが、実際は同116万トンだった。04年度予測でも15年度に1日124万トンとしたが実際は87万トンにとどまった。

 一方で市はダム建設事業費のうち約525億円を負担し、既に約429億円を支払ったほか、毎年約2億円の維持管理費も負担している。河村市長は「何も使わないダムに市民の税金や水道代をかけるより、生かす道はないかと何年も前からいろいろ考えてきた。線状降水帯の発生などで水害が多い。堀川もきれいにしたい」などと方針転換の理由を説明した。市によると、導水路建設に伴い取水施設整備などに新たに約50億円かかる見通しという。