八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

木曽川導水路事業 関係自治体から必要との意見相次ぐ(NHK東海)

 休止されてきた木曽川導水路事業復活の動きです。
 この導水路事業は都市用水の開発を主目的としたもので、すでに各自治体は水余りの状況ですから、名古屋市の河村市長が事業にストップをかけたのは間違いではなかったのですが、国土交通省と(独)水資源機構にとっては予算獲得のために必要な事業なのでしょう。関係する自治体は八ッ場ダムの時と同様、国土交通省の言いなりですが、表面をなぞっただけの報道では不要な事業のツケが未来世代に回ってくることなど伝わりようがありません。

 木曽川導水路事業復活の実態について、ジャーナリストのまさのあつこさんが詳しく解説した記事がありますので、リンクをページ末尾に載せました。ご参照ください。

◆2023年5月29日 NHK東海
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20230529/3000029360.html
ー木曽川導水路事業 関係自治体から必要との意見相次ぐー

 水道用水の確保などを目的に岐阜県の徳山ダムから木曽川に水を引き入れる木曽川導水路の建設計画をめぐり29日、国土交通省中部地方整備局と関係自治体などによる会議が開かれ、出席者からは事業を進める必要性があるという意見が相次ぎました。

 木曽川導水路をめぐっては、名古屋市の河村市長が、市長就任当初に反対したことなどから事業が凍結されていましたが、「洪水対策とともに上流の安心安全な水を飲める」などとしてことし2月、一転して計画を容認しました。
 これを受け、事業主体の国土交通省中部地方整備局と水資源機構は29日、東海3県や関係する自治体からなる会議を開きました。
 この中で、名古屋市は、計画を容認した理由について「深刻な渇水と近年の豪雨に適切に対応していく必要がある」などと説明しました。
 これに対し、関係自治体からは「導水路は渇水対策につながる」とか「災害への備えは重要だ」などとして、事業を進める必要性があるという意見が相次ぎました。
 これを受けて中部地方整備局の担当者は「事業を推進していくことは渇水対策や治水の観点から大変重要だ。必要性を検証していきたい」と述べ、今後、水資源機構と事業の効果について検証を進める考えを示しました。

◆2023年5月30日 中日新聞
https://www.chunichi.co.jp/article/699390
ー木曽川導水路「新用途」 中部整備局、名古屋市の説明踏まえ検討ー

 徳山ダム(岐阜県揖斐川町)の水を揖斐川から木曽川に流す木曽川水系連絡導水路事業を巡り、事業の検証を進める関係自治体の検討会が二十九日、名古屋市内で開かれ、建設容認に転じた同市が導水路の新しい用途の提案について説明した。事業を実施する国土交通省中部地方整備局は、提案を「大変重要」とした上で、導水路事業の検証結果を踏まえて関係者で検討する考えを示した。
 事業を巡っては、「水余り」を理由に建設に反対してきた名古屋市の河村たかし市長が二月、飲み水の確保や治水対策、市内を流れる堀川の再生の新用途を条件に、建設容認に転じた。今回は容認後初の会合で、市の担当者がこうした提案について説明。事業の検証後に改めて関係者で新提案を検討するとした中部地方整備局の方針に、愛知、岐阜、三重各県や関係市町の出席者から異論は出なかった。…(以下略)

★2023年5月6日 JBPRESS
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/75066
ー名古屋・河村市長、自ら撤退決めた木曽川導水路事業を目的変更し突如復活の謎
 【川から考える日本】無駄な事業復活、〈損切り〉できない日本の病理ー
 (まさのあつこ)