八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダムの点検用階段で特別レース

 毎日新聞社会面に八ッ場ダムに関する記事が載っていました。
 最近はダム問題に関するニュースが少なく、これもダム堤の階段を利用したレースの告知記事です。ネットに掲載されている写真をよく見ると、階段の右側の斜面のコンクリートが所々赤茶けているのがわかります。周辺一帯には酸性熱水変質帯が広く分布しています。
 
◆2023年10月4日 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20231004/k00/00m/040/088000c
ー八ッ場ダムを駆け上れ 高低差79mの点検用階段で特別レースー

 八ッ場ダム(群馬県長野原町)を駆け上れ――。316段の「点検用フーチング階段」を上る競技大会「第1回やんばスカイラン」(合同会社スカイランニングジャパン主催)が8日に開催される。招待選手を含む約190人が、特別開放されるダムの階段に集う。

 競技は、高層ビルやタワーなどの非常階段を駆け上るタイムを競う「ステアクライミング」で、ダムの両側にある階段のうち向かって右側の階段(高低差79メートル)を使用する。年齢別の体験部門「シングルアタック」と、上級者が2本の合計タイムを競う「ダブルアタック」があり、国内サーキットに出場するエリート選手もゲスト参戦する。

 主催者によると、今回使用するフーチング階段はビルなどの階段とは違い、踊り場までの段数が不規則でリズムが整いにくいが、トップ選手のタイムは2分台が想定されるという。

 出場申し込みは終了している。観戦無料。午後0時半から開会式、同1時から30秒おきに1人ずつスタートする。同3時半に表彰式の予定。雨天決行。【増田勝彦】

—–転載終わり—

 ダム堤の脇を走る国道は、2010年に開通して以来、酸性熱水変質帯の影響で落石事故の発生、時間の経過による変形などがあり、対策工事が行われてきました。地すべり等の災害は今のところ防いでいますが、今後も維持管理に膨大な税金を投入し続けることになります。
 ちなみに、3ケタ国道である付け替え国道145号線の維持管理は群馬県が行っていますが、2016~2017年に行われた災害防除工事では、国と群馬県が半額ずつ負担しています。

➡〈参考ページ〉「八ッ場ダム本体工事現場の脇を通る国道の災害防除工事(その1)」

写真=工事中の国道のり面。災害防除工事が行われた箇所の上流側。2005年11月25日撮影。
   現在、道路の手前は水没住民の移転代替地となっている。


 追加情報として、今朝(レース翌日)の地元紙の記事です。

◇2023年10月9日 上毛新聞社会面