川辺川の水没地を抱える五木村では、4月に木下村長がダム受入れを正式に表明したことに対して、村民らが5月17日に抗議文書を提出していました。
➡「五木村民13名、村長の川辺川ダム建設受け入れ表明に抗議文提出」
これを受けてこのほど、木下村長が抗議文を提出した村民らと面談し、改めてダム受入れへの協力を求めたことが報道されています。
長年ダム計画に翻弄され、人口減少と高齢化に苦しむ五木村は、飴と鞭で国のダム計画を受け入れざるを得ないところに追い込まれました。ダム事業の歴史では地元の「苦渋の決断」が決まり文句ですが、どれほど多くの村が不要なダムの犠牲になってきたことでしょうか。
◆2024年6月6日 NHK熊本放送局
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20240606/5000022264.html
ー川辺川のダム 五木村長“建設の受け入れ撤回せず”住民に表明ー
熊本県を流れる川辺川に建設が予定されているダムについて、建設を受け入れる考えを表明した五木村の村長が、受け入れの撤回を求める住民と面会し、村長は撤回しない考えを述べるとともに、今後も住民への説明を続けていく姿勢を示しました。
球磨川の治水対策として支流の川辺川に国が建設する予定の流水型ダムについて、貯水時に一部が水没すると想定されている五木村の木下丈二村長はことし4月、建設を受け入れる考えを表明しました。
村の住民の有志は「村の将来を左右する重大な件に関しては、住民の話し合いを踏まえて判断すべきだ」などとして、受け入れの撤回を求める抗議文を木下村長に提出していました。
木下村長は6日、村役場で抗議文を提出した住民と面会し、受け入れの撤回はしないとの考えを述べるとともに、「今後も行政座談会などで住民に説明を行うとともに、意見をもらいながら、振興推進や課題解決に全力で取り組む」などと回答し、住民への説明を続けていく姿勢を示しました。
これに対し、住民はダムの必要性に疑問が残っていることなどについて意見を述べました。
抗議文を提出した1人の黒木晴代さんは「ダムありきではなく、治水効果などを学んだり、ゆっくり話し合ったりする場を設けるよう、考えてもらいたい」と話していました。
◆2024年6月6日 RKK熊本放送
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1214819?display=1&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter
ー「ダム受け入れは村の最終判断」川辺川の流水型ダム抗議文に村長が回答 熊本・五木村ー
川辺川の流水型ダム建設をめぐり、熊本県五木村の一部村民から、木下村長のダム受入れ表明について撤回を求める抗議文が提出されていましたが、きょう(6日)木下村長は「村として最終的な判断」と理解を求めました。
きょう(6日)午前9時半、抗議文を提出した黒木晴代(クロキ ハルヨ)さんたち3人が五木村役場を訪れ、木下村長から回答書を受け取りました。
面談の中で木下村長は「農林業関係や子育て世代など各種団体と話し合い検討を重ねてきた。流水型ダムを前提とした村づくりへ向けて、新たなスタートラインに立つべきだと判断した」と経緯について説明しました。
その上で改めて「ダム受け入れは村としての最終判断」として、新しい村づくりへ向けての理解と協力を求めました。