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長崎県、石木ダムの完成予定2025年度、総事業費285億円を見直しへ

 長崎県の石木ダム事業は、当初は1979年の完成を目指していましたが、それから半世紀近くたった今も完成の見通しは立っていません。現在の石木ダム計画では来年度完成が予定されていますが、本体工事が始まっていないのですから現実的ではありません。それでもずるずるとダム事業は続きます。工期の延長は事業費の膨張につながりますから、総事業費の増額も行われることになるようです。
 このように「牛の涎(よだれ)」のように続いて完了の見通しの立たないダム事業は、本当にダムが治水・利水のために必要であるならば許されないことですが、事業者や業者にとっては好都合です。本来、こうした悪習は「ダム事業の再評価」によって見直し→中止しなければならないはずですが、わが国のダム行政では「再評価」は機能していません。ダムに反対する人々は、ダム問題の専門家による客観的な再評価を求めていますが、要望は無視され続けています。

(参考記事)石木川まもり隊ブログより「石木ダム再評価って何?」

◆2024年6月22日 長崎新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/cdfbd6f6fcb8d83a2f14ade36d31a6885d60339d
ー石木ダム2025年度までの完成見直し 総事業費285億円も 長崎県知事ー

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業について、大石賢吾知事は21日、285億円の総事業費と2025年度までの完成時期の見直し作業を進めていると明らかにした。本年度は県公共事業評価監視委員会が事業を再評価する予定で、県は計画の最終的な精査に入っている。
 県議会一般質問で前田哲也議員(自民)に答えた。
 同委員会は19年度、事業の完成目標を25年度に延長することを承認。それから5年が経過し、事業は本年度の再評価の対象となっている。
 大石知事は「(反対する)13世帯の理解と協力を得て進めることが最善」とした上で、「人件費や資材価格の高騰、建設業における働き方改革に加え、反対住民による妨害活動の影響などを踏まえて見直し作業を行っている」と答弁した。一方、ダム周辺の地域振興策について、道路や公園の建設などを検討しており、水源地域整備計画の素案を「本年度のできるだけ早い時期に公表する」とした。
 牧山大和議員(改革21)は事業に反対する市民団体が10日、大石知事宛てに提出した要請書について質問。治水や利水、環境の専門家を同委員に任命するよう求めているのに対し、中尾吉宏土木部長は「個別事業の特性に応じた専門家を委員として任命することは考えていない」と答弁した。

◆2024年6月22日 テレビ長崎
https://www.ktn.co.jp/news/detail.php?id=20240622006
ー石木ダム 2025年度の完成予定を見直しへー

 2025年度の完成を目指していた東彼・川棚町の石木ダムについて、大石知事は完成時期と事業費の見直しを進めていることを明らかにしました。

大石健吾
「これまで総事業費285億円で令和7年度(2025年度)までの完成を目指してきたところだが、人件費や資材価格の高騰、建設業における働き方改革に加えて、反対住民による妨害活動の影響等を踏まえて、現在、見直し作業を行っている」

 大石知事は、21日、県議会の一般質問で前田哲也議員の質問に対し、石木ダムの完成時期と総事業費を見直していると説明しました。

 県公共事業評価監視委員会が事業費などの最終的な精査を行っているということです。

 石木ダムをめぐっては、当初は1979年度の完成を目指していましたが、地元住民の反対などもあり、事業計画の見直しが続いていて、年度内に10回目の再評価が行われる予定です。

 また、大石知事は川棚町からの要望を受けてダム周辺の道路や公園、広場などの整備を検討していて、計画の素案を「今年度(2024年度)のできるだけ早い時期に公表する」と述べました。

◆2024年6月10日 テレビ長崎
https://www.ktn.co.jp/news/detail.php?id=20240610006
ー石木ダム建設計画 市民団体が「公正な目で再評価する」専門家を要望ー

 県と佐世保市が東彼杵郡川棚町で進める石木ダム建設について、10日に市民団体が事業が適切かどうか判断する県の第三者委員会に、専門的な知識を持った委員を新たに任命するよう求めました。

 要請書を提出したのは、市民団体「石木ダム事業の公正な再評価を求める市民の会」です。

 県の第三者委員会は現在、大学教授や弁護士など7人の有識者で構成されていますが、会は治水や利水・環境に特化した専門家を新たに任命することなどを求めています。

 石木ダム事業の再評価については、これまで9回の委員会が開かれていますが、2015年度以来、現地調査を行っておらず、一部の委員から「専門家の話を聞きたい」といった意見が出ています。

石木ダム事業の公正な再評価を求める市民の会 深澤 奨 共同代表
「半世紀前の計画を客観的に厳しく、これを公正な目で再評価するということは県としても事業者としても必須の課題だと思う」

 石木ダム事業は2025度中の完成を目指していますが、水没予定地には現在も13世帯が暮らしていて、地元住人の理解は得られていません。

 今年度の委員会は月内に開催される予定で、会は県に対し、6月28日までの回答を求めています。