八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ツ場ダム、二審も住民側敗訴 群馬訴訟で東京高裁

 昨日の群馬控訴審の東京高裁判決文が八ッ場ダム訴訟HPに掲載されましたので、お知らせします。

・東京高裁判決文    
 http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/gunma_k/gunma_hanketsu.pdf

・東京高裁判決に対する抗議声明
 http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/gunma_k/gunma_hanketsu_seimei.pdf

 関連記事を転載します。

 ◆2014年5月14日 上毛新聞 
  http://www.jomo-news.co.jp/ns/2014051401001026/news2.html

 -八ツ場ダム、二審も住民側敗訴 群馬訴訟で東京高裁ー

 国が進める八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設に反対する群馬県の住民が、県の事業費負担は違法だとして支出差し止めを求めた訴訟の控訴審で東京高裁は14日、差し止めを認めなかった一審前橋地裁判決を支持し、住民側の控訴を棄却する判決を言い渡した。

 滝沢泉裁判長は「県は、国土交通相が発した費用負担の通知に基づいて支出した。建設計画に重大な欠陥はなく、通知にも違法性はない」と指摘した。

 2004年に利根川流域の1都5県で起こされた住民訴訟の一つ。住民側は「ダムは利水、治水上の必要性がなく、地滑りや環境破壊の恐れもある」と主張していた。

◆2014年5月15日 朝日新聞群馬版
http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20140515100580001.html

ー群馬訴訟、高裁も退ける・住民上告へー

 八ツ場ダム(長野原町)への建設負担金支出の差し止めを関係6都県に求めた住民訴訟で、群馬分の控訴審判決が14日、東京高裁であった。滝沢泉裁判長は、支出の違法性や地滑りの危険性などを主張した住民側の訴えの大半を却下、残りを棄却して全面的に退けた。住民側は最高裁に上告する方針を明らかにした。

 判決は、ほぼ一審判決を踏襲した。住民側は、利水は需要予測が過大で、想定する治水効果もないと訴えたが、滝沢裁判長は、利水も治水も現計画を認める判断を示した。また、地滑りについても「対策が現時点において不十分なものであるとはいえない」とした。

 判決後の住民側の記者会見で、高橋利明弁護士は治水について「手続きを踏んだというだけで実質的な議論をしていない」。福田寿男弁護士は地滑りについて「県が『国が大丈夫と言っている』という態度をとったのも問題だが、裁判所がそれを認めたのも問題だ」と批判した。原告の一人の真下淑恵さん(65)は「人口減の時代を迎え、本当に必要なのか。大きな疑問を感じている」と訴えた。

 この住民訴訟は2004年に6地裁に提訴され、一審は原告がすべて敗訴。控訴審は東京、千葉、栃木、茨城分でも原告が敗れ、上告している。

◆2015年5月15日 上毛新聞社会面

ー二審も住民敗訴 八ッ場ダム訴訟「違法性なし」

 八ッ場ダム(長野原町)建設事業に県が負担金を支出するのは違法だとして、建設反対派の市民グループが大沢正明知事らを相手に支出差し止めなどを求めた住民訴訟の控訴審で、東京高裁は14日、差し止めを認めなかった一審前橋地裁判決を支持し、住民側の控訴を棄却する判決を言い渡した。
 判決で滝沢泉裁判長は「県は、国土交通相が発した費用負担の通知に基づいて支出した。建設計画に重大な欠陥はなく、通知にも違法性はない」と指摘した。
 原告の一人で「八ッ場ダムをストップさせる群馬の会」の真下淑恵代表は「将来を担う世代に大きな負担を押しつける不当判決」と批判した。上告に向けて準備を進める方針を明らかにした。
 2004年に利根川流域の1都5県で起こされた住民訴訟の一つ。住民側は「ダムは利水、治水上の必要性が鳴く、地滑りや環境破壊の恐れもある」と主張していた。各訴訟はいずれも一審で住民側が敗訴し、東京、千葉、栃木、茨城訴訟は二審も住民側が敗訴。埼玉訴訟は東京高裁で結審し、判決期日は決まっていない。