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有害な鉄鋼スラグに関する群馬県議会質疑(9/22)

 群馬県の深刻な公害問題として注目されている(株)大同特殊鋼渋川工場の有害スラグ問題について、伊藤祐司県議が9月22日の県議会本会議の一般質問で取り上げました。質疑の内容を転載します。
 この質疑については、発売中の週刊金曜日にレポート「群馬県は、大同特殊鋼に不正スラグの撤去命令を出せるか」(まさのあつこ)として取り上げられています。

◆2014年9月22日 群馬県議会本会議 一般質問 伊藤 祐司
http://www.pref.gunma.jp/gikai/s0701202.html

1 有害スラグ問題について
(1)県の環境行政の考え方について  環境森林部長
(2)有害スラグの撤去について  環境森林部長
(3)県土整備部発出の通知について  環境森林部長
(4)通知の撤回について  県土整備部長
(5)この問題に対する知事の考えについて  知事

伊藤議員
  日本共産党の伊藤祐司です。環境の問題について質問させていただきます。まず有毒スラグの問題について、環境森林部長に伺います。
  大同特殊鋼渋川工場が、本来、廃棄物として処理しなければならない、有害物質を含んだ鉄鋼スラグを、「再生」資材として偽って販売し、公共事業の路盤材などに大量に使用されていた、群馬の環境をおびやかす重大な事件が発覚しました。このスラグは強アルカリ性で、フッ素や六価クロムなどの有害物質を含んでおり、環境汚染、健康被害が心配されています。パネル1を示します。このスラグは、砂状、ないし、石ころ状の、ものですけれども、慣れれば石ころ状のものはですね。こう、土中から拾い出すことができます。
  割ると、黒くスラグだというふうに分かります。スラグというのは溶かした鉄を製錬した際に生まれるカスですけども、大同は航空機などの特別な部品を製造していて、電気炉での製錬時間を短縮するために、フッ素を含んだ蛍石を使用しています。また、錆にくくするために、使用するクロムが六価クロムになっていきます。六価クロムは発がん性物質の中でも、最も強い毒性のグループ1に分類をされているものです。フッ素は、班状歯などの歯の異常や、骨への沈着による、骨折のリスクがあります。また、子どもには知能障害を誘発するとの報告もあります。さらに報道では、pH11.8という強アルカリ性を示しているところもあったりました。中性がだいたいpH6~7ですから、イオン濃度は数万倍の差があると、いうふうに言えるわけです。実際、スラグを見つけたところに、フェノールフタレインをかけるとですね。このように赤色に変色します。これは強酸(ママ:強アルカリ)性を示しているわけですね。で、こういうところでは雑草も生えていません。かつて四国の塩田跡にスラグを埋め立てて、周辺の海藻が全滅して大問題になったと、いう事件もありましたけれども、この、スラグというのは、そういう有害物質が、含まれていると。このようなスラグが、あちこちの、埋め立てに、使われていいはずがありません。
  ところが、さまざまな、ところに、公共事業に、使われていました。この、パネル2を示しますが、これは、群馬用水の管理用道路です。ここでは、スラグが100%、混ぜ物なしで路面の敷き砂利として使われています。雨ざらしで10年近くが経過しており、有毒物質は、水溶性ですから、相当溶け出していると、いうふうに考えられますが、水資源機構の調査では、8か所調べて全てで、基準値以上のフッ素が検出されています。スラグの撤去作業が今、進行中ですけれども、そのスラグの下の土壌からも有害物質が、基準値以上になっている場所もあったことがわかりました。こういうのを放置すれば汚染が広がってしまう一例だというふうに、思います。それから、次に上武道路です。現在、建設工事が進んでいますけども、このう、側壁の、裏込めや、あるいは、設計には、使用してはならないことになっている、路床材にも大量に、使用されていたと、いうことが、分かっています。スラグが、水を含んで、膨張したためでしょうか、そのせいかどうか分かりませんけれども、道路の側壁が歪んでいる場所も、たくさん見つけられました。それから、八ッ場場ダムの代替地ですね。道路の側壁や、生活再建地の造成、その、表面に、かなり、使われて、いました。9月18日に、国交省も公開調査に踏み切ったのは、報道されたとおりであります。
  表面に、あるスラグ、拾い出していますね、。そして穴を掘って中に入っていないかどうかも、検査しているようであります。この他、例えば、東吾妻町の萩生の土地改良のところでは、土地改良の田圃の間の道路にも、敷き砂利としてスラグをたくさん含んだ石材が、使われています。    
  その対策がとられていますが、有害スラグを撤去するのではなくて、表面をアスファルトで覆うと、いうような一時しのぎの、やり方がされています。他にも県や、団体が行った土地改良で、この、有害スラグを含んだ、路盤材が大量に使われていたと、いうことが分かっています。また、渋川広域圏の、小野上に、今、つくられている最終処分場。これは廃棄物を管理して、有害物が漏れないようにする管理型の最終処分場ですけれども、その最終処分場の基礎にも、この、有害スラグを含む、路盤材みたいなやつが、使われていたということが、分かっています。
  そこで、まず、伺いますが、この一連の行為が、廃棄物法に、私は違反していると思います。その証拠のひとつがこの問題で県が、大同特殊鋼に、調査に、入るきっかけとなった、逆有償取引であります。この逆有償取引というのは、これは、産廃不法処理の隠れ蓑と、いうふうに言われているやり方です。(パネルを示す)大同が、スラグを、こう、売って佐藤建設工業という土建会社に売って、で、購入した形になるんですけども、それとは別に、運搬費や管理費などの、別の名目で、遥かに購入費を上回る、10倍以上になっていると言われておりますけれども、そういう額を、払っていると。つまりトータルでお金を、払って、スラグを、持ってってもらうという形になるわけです。この逆有償取引は、このような、損益など、スラグを産業廃棄物として処理した場合と比べれば、スズメの涙だと、いうんです。産業廃棄物として、このスラグを処理すれば、今、1トン当たり、処理費が、2万8000円から3万円くらいかかっています。そういう処理費を、免れることができるわけすね。大同は年間、2万5000トンぐらいこのスラグが発生していると、いうふうに言われていますから、7億円以上の不当利得と、いうことであります。
  環境保全についての、会社の社会的な責任を投げ捨てて、毎年莫大な利益を、手にしてきたことに、なるわけであります。しかし、さすがに、環境基準の、何倍にもなる有害物質を含んでいる、スラグそのものを、長期にわたって売ると、いうのは、リスクが大きいと考えたのでしょうか。近年は非常に巧妙な手口を使っています。自然砕石にこのスラグを混ぜて、全体として、濃度が薄まったというような形にして販売すると、いうものであります。で、これを請け負っていたのが佐藤建設工業1社です。大同からは、購入費を大きく上回る、管理運搬料を付けて、スラグをもらえているわけですから、自然砕石と混ぜても、他社の製品よりも、はるかに安い価格で、売れます。極めて有利に商売を、してきたわけです。
  そこで伺いますが、この一連の大同特殊鋼の行為は、儲けのためのサンパイを、不法に処理し、群馬の環境を汚した、明らかな産業廃棄物法違反だと、考えます。県は刑事事件として告発して、群馬の環境を守る毅然とした姿勢を示すべきだと考えますが、いかがでしょうか?

青木勝環境森林部報
  ご指摘の件でありますけども、今、パネルも見させていただきましたけども、これまで、再生利用されてきました、この大同特殊鋼株式会社というところの、鉄鋼スラグの一部から、有害な、物質が検出されたということにつきましては、県として、大変深刻に、受け止めております。この問題につきましては、県として、関係機関と協力して、調査を進めて、おりまして、土壌汚染が確認された場合は直ちに、周辺の地下水調査を、行って、安全を確認してきております。また、今、廃棄物処理法の話が出ましたけれども、この、法律に、基づきまして、関係者から、報告を徴して、全容解明を急いでおるところでございます。併せまして、関係法令の適用につきまして、環境省と、慎重に協議を進めてきておりまして、その結果に基づいて、法令違反があれば、厳正に対処していく考えでございます。
伊藤議員
  調査に入って、検討を始めて、もう9か月くらいになりますよね。この、大同特殊鋼は、確信犯なんですよ。愛知県でも、大同特殊鋼の工場があり、そこのスラグを商品化しています。しかし、愛知県には、「アイクル材」という名前のリサイクル材を商品化する上での、きちんとした、基準が設けられていて、これに、合格しないと、販売できないんですね。で、スラグは、混ぜたり、なんだり、する前の、出て来たスラグそのものを、測って、それが、土壌汚染法の基準に、合致して、いなければ、これ、産業廃棄物ですよと、言って、大同特殊鋼は、愛知県では、この基準に合わない、スラグは全部産廃として処理しています。それが、群馬県では、スラグはですね。大同は、例えば、これはスラグの、フッ素含有量分析表っていうんで、最初にスラグが出てきた段階で、分析をしています。分析をして、そのフッ素値が、例えば2万3700なんていう非常に高い場合は、混合比1:6というので、スラグ1に対して、砕石を6混ぜなさいと。1万5000くらいだと、1:3というんで、混合比はその程度でいいですよと、いうような感じで、もう有害であることを確認して、本来なら愛知県では捨てているものを、群馬県では、砕石に混ぜて、そして商品化して売っているんですよ。これ、サンパイ法違反じゃないんですか?

青木環境森林部長
  そう言ったことも含めまして、今、廃棄物処理法に基づいて、調査をして、検討しているところであります。
伊藤議員
  何度も言いますけども、この、環境基準に、ス、スラグとして出た段階で、測らなくちゃいけないんです。そういうふうに例えば、これは環境省が平成17年、フェルトシルト事件という、汚泥をちょっと凝固させたようなやつを売ってしまった事件で、出した「汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針について」というのがあるんですけども、ここではですね、汚泥を、土砂と混入して、土砂と称して埋立処分する事例が見受けられるところであるが、当該物は自然物など土砂とは異なるものであり、廃棄物と土砂との混合物として取り扱われたいと言っているんです。混ぜたって駄目ですよ。廃棄物は廃棄物ですよって、ですね。廃棄物を、これはもうそれこそ、逆有償取引そのものが、これ、廃棄物性を示していると、いうふうに環境省は言っていますから。しかも、環境省と今、相談をしているとおっしゃいましたけれども、私、7月22日に日本共産党の塩川鉄也衆議院議員と、一緒に、環境省の廃棄物リサイクル対策部、産業廃棄物の課長補佐さんと会って、ですね。話を聞いて。課長補佐さんは有害物質を薄める目的で混合したなら違法ですと、明確に、答えているわけです。これが法違反でなく、堂々とやられるとしたら、群馬の環境を守ることできないと思いますけども、決意をもう一度、お聞かせ下さい。

青木環境森林部長
  大阪のフェロシルト事件ということも、ございますけども、群馬県の、この、スラグ問題につきまして、個別具体的に、今、環境省と、協議をしております。その結果を待って、厳正に対処してまいる所存であります。
伊藤議員:
  一日も早く、警察に告発するべきだと思います。県民が注視するこの問題を、県警察が、ないがしろにするとは考えられません。ぜひ(県警)本部長さんもよろしくお願いいたします。
  次の質問に移ります、有害物質の撤去の問題です。この問題が明るみに出て、環境や健康被害を心配する声が高まっていますよね。先日の、毎日新聞では、日本環境学会顧問の畑明郎。大阪市立大学の大学院教授だった方が、取扱業者が有害性を認識しながら、一般の人に知らせないまま、生活の場で使っているのは悪質だと。文字通りアルカリ性、アルカリ強度なら皮膚が解けるところも、ああ、文書通りのアルカリ強度ならば、皮膚が解けるところもあり、クロム化合物は、発ガン性物質の六価クロムに、変化すると。本来、サンパイとして処理するべきもので、表層に出ているものは、直ちに、撤去が必要だと指摘しています。渋川市の、金井では、自治会を通して、市に撤去を、働き掛けようと、いう、動きも起きているふうに聞いています。
現に、群馬県では、土壌への汚染も、確認をされているわけですから、放置しては、いけないと思うんですね。で、水に溶け出す可能性。これは八ッ場ダムの代替地などは、水没線、ダム湖の水没線以下のところにも、私自身も確認を何か所もしています。土地改良区などは、砂利、敷き砂利として使われているとこ、たくさんあります。それから、地震の際に、深くに埋められたとしても、液状化で噴出する可能性もあると、いうふうに言われてますし、風による飛散というのは、スラグが地上に出ているところが多数あるわけですから、これは現実的危険性であります。県は速やかに、利用場所を全て、明らかにさせて、大同の費用で、撤去させるべきではないでしょうか?また、地域の道普請などに、過去、村が斡旋していたと、いう例も、聞き及んでいます。それから、エージングっていう、スラグは水を含むと、膨れ上がりますから、先に、水を含ませておく処理作業がエージングというんですけども、エージングしていないスラグを、そのまま路盤材なんかに使うと、後で膨張して、アスファルトが浮き上がっていますと。渋川のスカイランドパークに入って行く道なんかはその典型なんですけども、そういう路面がガタガタしているようなところの下には、そういうスラグが使われていることが、多々あります。そういう場所の特定に、県民によく知らせて、県民の力を借りて、調べて行くと、いうことも、大切だと考えますけれども、いかがでしょうか?

青木環境森林部長
  まずは1点目の、あのう、まず場所を早期に明らかにして、ということでありますけども、先ほど申し上げた通り、現在、廃棄物処理法に基づいて、関係者から報告を徴しておりまして、この問題となっている鉄鋼スラグが使用された個所についても、調査を行ってるところであります。
この調査の結果、あの、廃棄物処理法を含めて違反があれば、そう言った事実に即して、法律に則った形で、生活環境保全上、支障が無い、必要な処置を、講じてまいる所存で、あります。それから、これは、鉄鋼スラグによる土壌汚染が確認された場合でありますけれども、直ちに県では地下水調査を行って、安全を確認してきております。えー、第1日目の大手議員の質問にもお答えしましたけれども、これまでは、渋川市内で、国、国道工事1カ所、それから渋川市の工事28カ所などで、地下水汚染、を確認する調査を行ってまいりまして、全ての、個所で、フッ素及び六価クロム。今、問題になっております有害物質については環境基準値以下であることを、確認してきております。またあのう、県では地下水の汚染を、恒常的に監視をしてきております。平成元年から監視をしてきておりますけれども、この中でも、渋川市内では、これまで、延べ286本の井戸の調査を行って来ておりますけれども、この鉄鋼スラグに起因する地下水汚染は、確認をされておりません。今後も、土壌汚染が確認されれば、直ちに周辺の地下水調査を行って、安全確認をしてまいる所存であります。それから2点目の、県民の皆様からの情報提供でありますけれども、この問題につきましては、本当にあのう、様々な方から連日情報をいただいております。この調査ということにつきましては、県として、法令に基づいて、厳正に行っていく。これが現状でありますけれども、県民の皆様からの情報もいただきながら、全容解明できるようなかたちにしていきたいというふうに思っています。
伊藤議員
  部長、廃棄物があちこちに捨てられているんですよ。表面に出ているものもある。風に飛ばされて、現実に飛散しているところもある。それを地下水に、汚染が今、めっからなかったら、それで放置するつもりなんですか?サンパイ法にではですね。行政処分の指針ていうのが、ちゃんと、あるわけですよね。15年3月に改定もされていますけれども、その中で、都道府県知事がですね。これを、行政処分として、排出者に、撤去しなさいと、命じることができるわけですよ。これ、この、不当利得をあげたこの、法違反を犯した業者にですね。これ、撤去しなさいと、いうことがどうして言えないんですか?もう一度伺います。

青木環境森林部長
  繰り返しになるかも知れませんけども、現在、廃棄物処理法に基づいて調査検討を行っているというところであります。これにつきましては、この個別具体的な事案につきまして、環境省と調整を行っているところでありまして、その結果、法令違反があれば、廃棄物処理法に基づいて厳正に対処してまいります。その中では、今、議員のおっしゃったような、その、原因者に対する措置ということも当然含まれているわけでありまして、それも含めて結果を見て、厳正に対処してまいる所存であります。
伊藤議員
  これはですね。非常に重大な問題で、これが法違反でないとすれば、どういうことになりますか、部長、今までこういうことが、やれることになるんですよ。これからも。ずっとやれることになってしまう。これは法違反だというふうにハッキリさせて、対処しなかったら、群馬の環境を守れないというふうに思います。時間が無いので次の質問に移ります。この、問題には、群馬県も、かなり、御墨付きを与えているという、実態があります。平成22年10月15日付で、県土整備部管理課の建設政策室長名で通知が出ています。「再生骨材に鉄鋼スラグをブレンドした骨材の取扱いについて」というところですけども、抜き出しました。この、いわゆる有害物質を含んだ、スラグをですね。環境基準への適合性については、鉄鋼スラグに残留の恐れがある5品目について、ブレンドした後の、溶出・含有量試験を出しなさいと。いわゆる、さっき、大同がやっていた、1:3とか1:6とか、そうやってブレンドした後に、基準を満たせばいいですよと。そういうような数値を、県が、出しているんですね。しかもですね。まあ、それは…県土整備に聞けばいいのか。こういう通知は、まず環境サイドに事前に相談があったのかどうか。このような通知は環境サイドとすれば違法というふうに判断すると思いますが、いかがですか?

青木環境森林部長
  ご指摘の通知は、平成22年6月11日と、同年10月15日、に、県土整備部の建設政策室長名で、発出された通知、でございまして、この通知の発出に当たりましては、環境森林部に、事前の相談はございませんでした。ございませんでしたが、そもそも、この通知は、当時、骨材として、天然砕石に、電気炉クラッシャラン鉄鋼スラグ、今、問題になっているものでありますけれども、これをブレンドしているものが、現に流通をしておりまして、公共工事でも、使用実績が出て来ていると。こういう実態を踏まえて、利用者として、利用に当たっての留意点を、関係の所属長宛に通知したものでありまして、当時において、利用者の立場として、は、問題があったとは考えておりません。ただ、誤解が無いように申しあげますけれども、現時点では、この、鉄鋼スラグの一部から、有害物質が検出されたということが確認されておりますので、そもそも、そういう鉄鋼スラグが、再生骨材として、市場に流通していたこと自体が、問題なかったのかどうか、、先ほど申し上げた通り、現在、廃棄物処理法に基づいて、調査、それから国と協議を進めているところで、あります。
伊藤議員
  あのですね。いろいろ慮って言っているようですけれども、こういう、ブレンドした後、に、基準を満たしていればいいですよ、っていう考え方は、その当時でも間違じゃないんですか?間違いと思わないんですか?

青木環境森林部長
  その通知では、環境基準の適合性ということで、まあ、有害物質5項目について、ブレンド後の試験成績書の提出、ということ、を、記載されておりますけれども、いわゆる環境基準の適、適合性を確認する手段として、まあ、当時は、既に、ブレンド後の骨材が商品として、製品として、まあ、流通をしていた。こういったことを踏まえると、その製品について分析結果を提出させるということは、利用者の立場としては、当時において問題があったとは考えておりません。ただし、繰り返しますけれども、そう言ったものが製品として流通していたことについては、現在調査を行っているという事でございます。
伊藤議員
  何度聞いても同じ答えだと思いますので、環境森林部長には以上にしまして、県土整備部長にうかがいたいと思います。
伊藤議員
  3点について纏めて、聞きたいと思いますので、簡潔にお答えください。この通知は、どんな経過で、どんな目的で出されたものか。2点目が、この通知は、スラグ採石が、通常の混合砕石よりも明らかに安いにもかかわらず、ここに書いてあるように、工事請負業者がブレンド材を使用した場合にも変更設計の対象としないと、設計変更しなくていいですよと。こういうふうに、書いてあるわけです。公共事業の積算方法として、極めて不適切ではないでしょうか?このような事件となった以上、この通知は撤回すべきだと思いますが、いかがでしょうか?

古橋勉県土整備部長
  お答えします。まず第1点目。本通知は、市場に流通した骨材について、環境安全品質基準に適合した、鉄鋼スラグを含む砕石について、県工事に使用できる、基準を定めたものでございます。2点目の設計変更の取扱いでございますが、まず、公共工事への発注に当たっては、標準の歩掛かり、いわゆる使い方、作り方。それから標準の単価を用いて、積算しております。これは、特殊な工事を除いて、いわゆる建設業者。材料、製品を特定しないようにということで、標準の単価を用いております。その上で、設計変更の取扱いについては、当初設計で指定した材料、製品、について、受注者から同等、品の使用協議があった場合には、同等の性能、現場条件の合致、仕様書等に示す品質を有するもの、であれば、承認し、設計変更の対象としない、ということにしております。最後の3点目でございますが、通知についてございます。今回の通知は、鉄鋼スラグを含む砕石の品質管理基準を規定しております。その材料により、周囲の環境へ影響を与えるものではないと考えております。また、鉄鋼スラグを使用した県27工事の中から、6工事、6か所を抽出した分析試験においても、環境安全基準に適合していることを確認しております。なお、環境森林部長が申しましたように、通知については、環境部局の調査結果をもって、適切に対応してきたいと考えております。以上です。
伊藤議員
  まず、設計変更をしなくていいという理屈にはならないでしょう。だって、材質、全然違うでしょう。性状も違うでしょう。これ同じだと判断するんですか?全然違う、コンクリート材が入っていたりするわけじゃないんですよ。鉄鋼スラグですよ。エージングもしているかどうかも分からないし。そういうものが入っているのに、同じ部材だから設計変更しなくていいです、と。しかも、これあれでしょう?材料的に、逆有償取引で、かた…だけじゃなくて、お金もらっているわけですよ。明らかに安くなるでしょう?そんなの、県の、公共事業の、事業費を積算する時は、それこそ本当に、それこそ細かい、釘一本に対してだって、どのくらい今なっているんかと、いうようなことまで、調べて、積算するじゃないですか?何でそんな簡単にそんなことを言えるんですか?

古橋県土整備部長
  繰り返してお答えいたします。まず、受注者から同等品、或は同等の性能、そういうものがあった場合にそれに確認して、その材料の承認を認めておりまして、それは設計変更の対象としていないっていうことであります。また、あのう、単価につきましては、いろいろと標準で使うものにつきましては、単価を調査して決めております。ただ、実際の時に、おきましてはいろいろと、その時の在庫の状況だとか、運搬距離の状況によって、違って来ているというのは、現場ではそういうことが承知しておりますが、県の発注工事におきましては、標準単価を定めまして、それを使っているという事でございます。
伊藤議員
  RC、いわゆる混合石材の相場は大体その当時、1㎥あたり1800円くらいと、言われていたのが、これは佐藤建設工業は、1300円で、売っているじゃないですか?全然、価格、違うじゃないですか。そのために、たくさんの石材業者が、経営を、ほんと、圧迫されていると。だいたい、この、通知によって、どこが利益を得ましたか?大同と佐藤建設工業だけじゃないですか。こんなのでいいんですか?それで、大同、佐藤建設工業、はですね。この石材を、混合材をもっと県の公共事業に使おうということで、会議を開いているんですね。その会議のメモなんかを見ますとですね。こういう通知を出させただけじゃ足りなくて、県の建設工事必携、いわゆる赤本ですね。これの修正を求めようじゃないかとか、県議を使うと、いうような、言葉まで、書かれて、メモでは書かれているんですよ。こうした背景で、通知が出されたとすれば、特定業者への便宜供与と、いうふうにも言えるんじゃないかと思うんですね。このようなことを言って来た県議がいましたか?

古橋県土整備部長
  まったく、承知しておりません。
伊藤議員
  私は、いろんな業者から話を聞きましたけれども、この通知にですね、意見をした、事業者が、始末書を書かされたり、突然指名から外されたり、県の圧力を受けているっていうふうに、語っていた業者もいたぐらいです。こういう、誤った行政を、反省して、直ちに撤回するべきだと、いうことを申し上げて、県土整備部長に対しての質問は、終わりにします。次、知事にうかがいたいと思います。
  この問題は、群馬の環境行政にとって、試金石だというふうに、言えると思うんです。曖昧にできない問題です。知事は、常々、県民の、安全と安心を守ると、いうふうに、語っておられますけれども、群馬の環境を守る責任者として、この問題に対する知事の、決意をうかがいたいと思います。

大澤正明知事
  これまで、再生利用されてきた、鉄鋼スラグの一部から、有害物質が、検出されましたことは、極めて遺憾であり、深刻に受け止めております。このう、この問題については、県民の健康を第一に考え、対応してきているところでございます。先ほど部長が答弁した通り、引き続き、調査に万全を期すとともに、一日も早く、この問題の全容を解明し、県として必要な対策をしっかりと行っていく、必要があると考えております。
伊藤議員:ぜひ、、時間的にもスピードを上げて取り組んでいただきたいと思います。