人口減少・高齢化が進む地方の自治体にとって、ライフラインの維持管理が困難なケースが増えています。この度の熊本地震では、国政における税金の使い道が改めて問われていますが、Yahoo!ニュースにも流れた沼田市のケースも最も大切なライフラインの維持が脅かされていることを示唆しているようです。
沼田市は1980年(昭和55年)をピーク(5万6,828人)に人口減少が続いており、2026年7月末現在、42,176人となっています。(沼田市ホームページより)
沼田市の上下水道が供用を開始したのは大正14年とのことです。
沼田市が上下水道の実情を大変わかり易くまとめています。
https://www.city.numata.gunma.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/615/0511.pdf
沼田市「次世代のための施設更新と – 持続可能な経営をめざして」
◆2026年7月31日 群馬テレビ
https://news.yahoo.co.jp/articles/ad86705e9bae1845036f9334c8b8cd4484be1b54
ー浄水場の移転更新を5年間延長 群馬・沼田市ー
2032年度に浄水場の移転更新を計画していた群馬県沼田市は、国の補助金の減少や建設資材の高騰などを受け、事業着手を5年間延期する方針を明らかにしました。
これは31日に開かれた定例記者会見の中で沼田市が発表したものです。市では浄水場更新事業について、当初、国の補助金の補助率を3分の1と想定していましたが、基本設計の完了後に補助対象範囲が全体事業費の約9%にとどまることが判明したとしています。また近年の物価高騰や企業債の利率の上昇などが影響し、浄水場事業費は当初計画の87億円から114億円に膨らんでいます。
市はこの厳しい財政状況から、水道料金の改定で内部留保金を確保すると共に、国に補助金の増額を要請するなど対応策に時間が必要として、「事業着手を5年間延期する」ことが現実的な対応と判断したということです。星野市長は「このまま事業に入ると水道会計だけでなく一般会計もパンクする。ここは5年間待つべきだと判断した。沼田にとって適切な判断だと思っている。」と述べました。
沼田市の浄水場は1925年に供用を開始し、拡張工事と改修された施設で構成されています。施設は40年以上が経過して老朽化が進んでいることから、市では2032年度の移転更新を目指し事業計画を進めてきました。
市は今後、現在の浄水場の修繕計画を策定して施設の機能を維持させながら、5年後の事業着手に向け物価や金利の動向、財政状況を注視していくとしています。
◆2026年8月1日 上毛新聞 紙面より
ー沼田市の浄水場更新5年間延期 建設コスト上昇 事業費27億円増ー
群馬県沼田市が2032年度の移転更新を目指す浄水場に関して、星野稔市長は31日の定例会見で、5年間延期すると発表した。活用する国庫補助金の補助率が当初の想定を大幅に下回ったことに加え、建設コストの上昇で概算事業費が87億円から114億円まで膨れ上がったことなどを主な理由に挙げた。
25年度に基本設計をまとめた段階では、事業費全体の約3割を国庫補助で賄う想定だった。しかし今年5月、施設設備の詳細が確定して補助対象の範囲を確認したところ、補助率が約1割であることが判明。物価高の影響で建設費が増大し、事業費に充てる地方債の金利が5年前の3倍に上昇したことも響いた。
浄水場の更新事業を継続すると、36年度ごろに水道会計が資金不足に陥る可能性が高く、地方債の償還が困難になることから延期を決めた。
今後5年間を猶予期間とし、水道料金改定などで財源を確保する方針。物価や金利の動向を注視しながら更新事業の推進と既存施設の維持管理を図る。星野市長は会見で「想定外だ」と苦渋の表情を浮かべた。