大同の有害スラグ問題が最初に発覚したのは、2013年6月のことです。六価クロムやフッ素などの有害物質を含む鉄鋼スラグは本来、産業廃棄物として処理するものですが、(株)大同特殊鋼は渋川工場から排出される有害な鉄鋼スラグを建設資材として出荷し、大同のスラグは群馬県内の公共工事現場などで大量に使用されてきました。
当初は、工場のある渋川市内に限定されると見られていたスラグ問題と八ッ場ダム事業との関係を明らかにしたのは、八ッ場ダム本体工事入札の前日、2014年8月5日の毎日新聞一面トップスクープと社会面の記事でした。
国交省関東地方整備局は八ッ場ダムの本体工事に予定通り、2014年度中に着手するため、八ッ場ダム事業における有害スラグの調査を2014年9月18日に開始し、問題の早期解決を図る姿勢を打ち出しました。
しかし、その後、明らかになったスラグの使用状況は大量に使用されたスラグの一部に過ぎないと見られ、いまだに問題解決に程遠い状況です。
有害スラグの問題は、地すべりなどダム湖予定地周辺の地質と同様、八ッ場ダム事業の犠牲になってきた住民の生活再建にとって、きわめて重要な問題です。
有害スラグの問題に関しては、2015年9月、群馬県が(株)大同特殊鋼などを刑事告発しました。
刑事事件に発展したスラグ問題の行方が注目されます。
鉄鋼スラグと八ッ場ダムの問題を解説したスライドを掲載します。
32ページのスライドのポイントを以下に掲載します。