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鬼怒川河川整備計画の公聴会

 1月17日、「鬼怒川河川整備計画」の原案に対する公聴会が開かれました。
 鬼怒川下流域では昨年9月の洪水により水害が発生し、現地で復興の途上にある中、国交省関東地方整備局は鬼怒川における今後の具体的な治水対策を決定する河川整備計画を策定しようとしています。

 公聴会では「利根川流域市民委員会」の神原禮二さん、高橋比呂志さん、「常総市水害・被害者の会」の方などが公述しました。

 関連記事を転載します。

◆2016年1月18日 毎日新聞栃木版
 http://mainichi.jp/articles/20160118/ddl/k09/010/043000c
ー地域性配慮の声多く 宇都宮、茨城・筑西で国交省公聴会ー

 鬼怒川と小貝川の河川整備計画で、国土交通省関東地方整備局の公聴会が17日、宇都宮市と茨城県筑西市で開かれた。関東・東北豪雨被害を踏まえ昨年12月に公表された河川整備計画の原案について住民から公募で意見を聴くもので、宇都宮市で1人、筑西市で6人が公述人として意見を述べた。堤防の強化や農業用水への配慮など、沿岸各地域の実情を反映した声が上がった。【加藤佑輔、去石信一】

 農業用水確保 堤防強化を
 宇都宮市平出工業団地の同整備局鬼怒川ダム統合管理事務所では、上三川町の農業の男性(61)が鬼怒川から導水している農業用水について述べた。男性は「県内の(取水堰(ぜき)や取水口など河川から用水を取り入れる)頭首工は簡易な工事の砂利堰などで対応しており、洪水のたびに流失し、(導水が不十分となって)稲作に重要な7、8月に水がなくなることがたびたびあり、大きな被害が出ている」と指摘。「昨年9月の豪雨では一部が流失したが堤防の決壊はなく、上三川地域では鬼怒川の川幅が広く河床が下がっていることから今後も堤防決壊は考えられない。
今後ますます河床が下がり、用水確保が困難になることが想定されるので、用水の利水に支障をきたさないようにしてほしい」と求めた。

 筑西市の下館河川事務所では、利根川流域市民委員会幹事の神原礼二さん(75)=同県取手市=が、想定外の増水でも決壊しにくい堤防の建設に重点を置くよう強調。「コスト増はわずかで、越水だけなら被害は小さい。最終的に決壊しても避難の時間稼ぎができる」と述べた。筑西市消防団副団長の塚田俊夫さん(63)は、水防活動中に堤防上部から水が噴き出し、決壊寸前となった恐怖体験から「団員の命を守るためにも堤防の強化を」と訴えた。

 2012年に完成した湯西川ダム(日光市)についての言及もあった。神原さんは、湯西川ダムに治水効果はないと指摘。鹿沼市から出席した男性も同様の意見を述べ、ダム建設を優先して堤防建設を怠ったことへの反省を求めた。

 また、茨城県常総市水害・被害者の会共同代表の逆井(さかさい)正夫さん(67)=同市若宮戸(わかみやど)=は、築堤要請を国が無視したことが同所の越水の原因と述べ、反省と謝罪なしの計画は認められないと訴えた。

 計画の原案は、今後30年間に行うべき治水対策として栃木、茨城両県の堤防計58カ所の浸食対策をはじめ築堤や堤防かさ上げ、河道掘削などを挙げている。筑西市の公聴会は18日も開かれる。

◆2016年1月18日 東京新聞茨城版
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201601/CK2016011802000155.html
ー越水に耐える堤防を 筑西で公聴会 水害再発防止へ提言ー

 国土交通省が策定を進めている「利根川水系鬼怒川河川整備計画」の原案に対し、県民らから意見を聞く公聴会が十七日、筑西市の国交省下館河川事務所で始まった。
 初日のこの日は、環境保全団体のメンバーや関東・東北水害の被災者、消防団員ら六人が水害の再発防止に向け、それぞれ提言を行った。 (増井のぞみ)

 堤防の整備など緊急的な治水対策を進める、おおむね三十年間の計画。国交省は公聴会での意見を計画策定に生かす。
 「利根川流域市民委員会」幹事の神原礼二さん(75)は「水害は全て国の責任」と主張。鬼怒川上中流の栃木県内に四つのダムを建設した上で、堤防整備率は62・7%に上る。
 これに対し、下流の茨城県内の整備率は17・4%にすぎず、「ほとんど整備されていない」と指摘した。
 神原さんは、ダム偏重の国の政策と、治水のための負担金を支出しながら安全をチェックしてこなかった県の姿勢を問題視、越水しても決壊しにくい堤防の建設を求めた。

 「常総市水害・被害者の会」共同代表世話人の逆井(さかさい)正夫さん(67)は、鬼怒川沿いの若宮戸地区の自宅が越水により全壊した。堤防代わりの砂丘が昨年三月、太陽光発電業者に掘削されたにもかかわらず「国交省は業者を追い払わず、パトロールもしていない」と述べた。

 筑西市消防団副団長の塚田俊夫さん(63)は、水害が発生した昨年九月十日早朝、堤防のアスファルトの亀裂から水が噴き出すのを目撃し「非常に恐怖を感じた」と証言した。
 当時、消防団員約百五十人と共に、逃げ遅れたお年寄りら住民の避難誘導に当たった。「団員を危険にさらしてしまった」と悔やみつつ、「団員が安心して活動に励めるよう、堤防の強化などを進めるよう強く願う」と訴えた。公聴会は十八日も開かれる。

◆2016年1月18日 読売新聞茨城版
 http://www.yomiuri.co.jp/local/ibaraki/news/20160117-OYTNT50306.html

ー「堤防の強化や整備を」鬼怒川整備計画で公聴会ー

 2015年9月の関東・東北豪雨の際に氾濫した鬼怒川で今後約30年をかけて進められる河川整備計画の原案について、国土交通省関東地方整備局は17日、筑西市の下館河川事務所などで公聴会を行った。
 同事務所では県内や栃木県に住む公述人7人のうち6人が意見を述べた。

 公述人の一人で筑西市消防団の塚田俊夫副団長(63)は、関東・東北豪雨の際、消防団の活動中に堤防の上面から水が噴き出しているのを目撃して身の危険を感じた経験や、水害後の後片づけ作業で目の当たりにした地域や住民の悲惨な状況を当時の写真とともに披露。「団員や住民の生命、財産を守るためにも、今ある堤防の強化や、堤防のない地域への堤防整備を進めてほしい」と訴えた。

 原案は、本県区間の64か所で堤防整備や河道掘り下げなど流下能力の向上策を、上流の栃木県内を含む58か所で堤防の侵食対策をそれぞれ行うなどとする内容。公聴会は18日も同事務所で行われ、1人が意見を述べる予定という。