荒川の河川整備計画が3月18日付けで策定されました。
荒川は、埼玉、山梨、長野の三県が境を接する甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)に発し、埼玉県の奥秩父より東京湾に流れ下る首都圏の重要河川です。
◆国交省関東地方整備局のホームページより
「荒川水系河川整備計画【大臣管理区間】」の策定について http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000240.html
荒川水系河川整備計画 http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000306.html
整備計画本文 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000643105.pdf
整備計画概要 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000643106.pdf
荒川水系河川整備計画の主要な問題点の一つは、中流部に第二、三、四洪水調節池を造り、広い河川敷の豊かな自然を壊してしまうこと、いま一つは、荒川下流部において両岸合わせて52kmのスーパー堤防の整備計画があるため、堤防強化対策が計画されていないことです。
荒川下流部は東京の都心部を貫流しており、もし堤防の決壊が起きれば、凄まじい被害になります。地下鉄が縦横に走っているので、荒川が氾濫した場合の影響は極めて深刻です。しかし、今回策定された河川整備計画では、荒川下流部はスーパー堤防を整備することになっているため、堤防強化対策が計画されていません。
荒川のスーパー堤防は、会計検査院の報告(2012年1月)によれば、完成型になっているのは数百メートルに過ぎません。現在までの進捗速度では、1000年経っても、スーパー堤防の整備が終わることはなく、都心部が堤防決壊で壊滅的な被害を受ける危険性がずっと続くことになります。
このたび策定された荒川水系河川整備計画は、国交省の河川行政の愚かしさを示す象徴的な事例です。
荒川水系河川整備計画における主要な二つの問題について、水問題研究家の嶋津暉之さんによる詳細な解説が水源開発問題全国連絡会のサイトに掲載されています。
◆「荒川下流部におけるスーパー堤防の 52km整備の問題」
http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2015/12/5fe3f57fb096f574ea6b3a6c35824068.pdf
◆「荒川中流部の第二、第三、第四洪水調節池の増設問題」
http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2015/12/7d393ad16664602acc705c5b19c4ecf8.pdf