八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

長崎県、石木ダム予定地に機材搬入強行

 昨日、長崎県が石木ダムの工事現場に地元住民の反対を無視して機材を強引に搬入したとの知らせがありました。昨日は日曜日で、資材の搬入は早朝、住民の目を盗んで行われた不意打ちだったようです。
 これまで住民と支援者らは、工事現場の入り口に毎日立ってダムの関連工事を阻止してきました。八ッ場ダムがそうであるように、ダム事業では本体工事を始める前に道路の付け替えなどの関連工事を行い、関連工事が進むと、もうここまで工事が進んだからと事業者が一気に本体工事に突き進むからです。
 
 ダムの反対運動は毎日緊張を強いられます。八ッ場ダム事業では事業者が住民の目を盗んで調査や工事を進め、住民が疲労困憊する中で地域の人間関係にまでダム行政の働きかけによる攪乱があったとされます。こんな卑劣なことを行政がやらなければ進められないダム事業は、税金で行うべきではありません。
 
◆2017年1月30日 長崎新聞
 http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2017/01/30092215050252.shtml
ー石木ダム現場に資機材搬入ー
 
 県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業で、県は29日、付け替え道路工事現場に作業車両や資材を搬入した。県によると、反対地権者の阻止行動で2016年1月末に中断して以来約1年ぶりの工事再開。反対派には期日を事前通告せず抜き打ちで実施した。県は今後、工事を本格化させる構えだが、反対派の強い抵抗を受けるのは必至だ。

 ダム完成後に水没する県道の代替道路として建設、今回の工事区間は約620メートルで県有地。県は15年6月に資機材を運び込み、草木の伐採や測量をしたが、その後は反対派の阻止行動により進展していなかった。

 この日搬入したのはクレーン車やダンプカーなどの計16台や資材。県によると、当面は敷地内の斜面を削ったり、盛り土をするなど道路の下地作りをする。まず作業員用の詰め所を現場入り口近くに設置した。

 午前6時半ごろ、業者と県職員の計約50人が入り口から搬入。約1時間後、反対地権者13世帯の住民を中心に約40人が駆け付け、午後0時40分ごろ、作業を終え脇道から出る県職員と対峙(たいじ)し「不意打ちとは卑怯(ひきょう)」と抗議した。

 県は昨年7月末に工事再開の意思を反対派に伝えたが、連日の阻止行動により膠着(こうちゃく)状態が続いていた。

◆2017年1月30日 毎日新聞長崎版
http://mainichi.jp/articles/20170130/ddl/k42/010/152000c
ー石木ダム事業 県道付け替え工事着手 県、休日の早朝に重機搬入ー

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業で、県は29日、ダム建設に関連する県道付け替え工事に着手した。2015年6月から予定地の草木の伐採作業をしていたが、本格的な造成工事は初めて。平日は地権者らが現場入り口付近で阻止行動をしてきたが、地権者のいない休日の早朝に重機を搬入した。

 県は午前6時半ごろから県職員と工事業者計約50人でクレーンやバックホー、トラックなど重機16台を搬入。作業員用のプレハブの詰め所を設置し、午後0時半ごろ作業を終えた。

 県によると、工事はダム完成後に水没する県道の代替道路(約620メートル)の整備。今後、山から土を切り出し、盛り土などをする。県土木部の吉田慎一次長は取材に「昨年12月に長崎地裁佐世保支部は工事差し止めの仮処分申請を却下した。緊急に止める理由はないと判断されたので、必要な工事を進めていく」と話した。

 ダム工事に反対する地権者や支援者ら約25人は重機の搬入を聞きつけて現場入り口付近に集まり、「そもそも必要ないダムのために、道路をつくる必要はない。休日の早朝に着手するやり方はひきょうだ」と抗議。一方、県の吉田次長は取材に「地権者たちと我々の安全のため一般車両の通行が少ない時間を選んだ」とした。【浅野孝仁】

◆2017年1月30日 NHK長崎放送局
 http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5033465071.html?t=1485785788460
ー石木ダム関連工事再開に向け準備ー

 長崎県は、川棚町の石木ダムの工事現場にダム建設に反対する住民がいない日曜日の29日、建設用の機材を運び込み、今後、ダムの関連工事を本格的に始める方針で、住民との間で、対立が一段と激しくなる可能性があります。

 川棚町に計画されている石木ダムは長崎県と佐世保市が治水や新たな水源の確保を理由に建設を準備していますが、ダム予定地の住民は、計画が立てられたのが40年以上前でいまでは必要性がなくなっているとして、反対しています。

 住民は、工事をさせないために、県の職員が休む日曜日や祝日を除いて、工事現場の入り口で、座り込みを行ってきました。
 これに対して、県は、住民が座り込みをしていなかった日曜日のきのう、クレーン車やダンプカーなど建設用の機材を作業現場に運び込みました。
住民はこれに反発して、30日、作業員を現場に入れないように座り込みを行いました。

 県は、30日は工事を行わなかったものの、今後、ダム建設によって水没する県道に代えて新たな道路を建設する工事を本格的に始める方針です。
 このため、阻止しようという住民との間で、対立が一段と激しくなる可能性があります。
 30日座り込みを行っていた住民の1人は、「県は、本来、きちんと、ダムの必要性について、説明したうえで、工事を始めなければならないのに、説明なく、不意打ちで、工事用の機械を運び込んだ。県のやり方に怒りを感じるとともに、あきれている」と話していました。

 一方、県石木ダム建設事務所の有吉正敏所長は、「住民には、去年から工事の妨害をやめてほしいと何度も話してきた。混乱が起きないように、日曜日に運び込んだ。今後、安全に工事を行うにはどうすれば1番いいのかを検討して、工事を進めていきたい」と話していました。

◆2017年1月31日 NHK長崎放送局
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5033518681.html
ー石木ダム関連工事に本格着工ー

 長崎県は、川棚町の石木ダムの工事現場にダム建設に反対する住民がいない日曜日に運び込んだ建設用の機材を使って、31日午後からダムの関連工事を本格的に始めました。

 川棚町に計画されている石木ダムは長崎県と佐世保市が治水や新たな水源の確保を理由に建設を準備していますが、ダム予定地の住民は、計画が立てられたのが40年以上前でいまでは必要性がなくなっているとして、反対しています。
 住民は、工事をさせないために、県の職員が休む日曜日や祝日を除いて、工事現場の入り口で座り込みを行ってきましたが、県は、29日の日曜日にクレーン車やダンプカーなど建設用の機材を作業現場に運び込みました。

 そして、31日午後、その機材を使って、ダム建設によって水没する県道に代わる新たな道路の建設工事を本格的に始めました。
 作業員は、住民が座り込んでいる入り口とは別の場所から入ったとみられます。
 県が設けたフェンスの外側から工事の様子を見守った住民の1人は、「いまは何もできない。裁判でダム建設中止を訴えるとともに、ダムは必要ないという世論を広げていくしかない」と話していました。
 一方、県の石木ダム建設事務所は、「粛々と工事を続けていきたい」と話しています。

◆2017年1月31日 テレビ長崎
http://www.ktn.co.jp/news/20170131113152/
ー石木ダム 県が道路工事を再開ー

 東彼杵郡川棚町での石木ダムの建設をめぐり、県は29日、関連する道路工事の再開に向けた準備をはじめ、31日午後には重機を使った工事を行いました。川棚町の石木ダム建設予定地の入り口の前には、31日も建設に反対する地権者や支援者などが抗議の座り込みを行いました。 
 この場所はダムの完成に伴い水没する県道の代わりとなる道路の予定地で、地権者などがいない日曜日の早朝に県が建設機械を運び込んだことから地権者側が猛反発しています。工事の一部は当初、31日で終了する契約でしたが、県が「工事が進捗していない」として、3月末まで延長しています。 地権者側の座り込みは続いたものの、午後になって作業員が現場に入り、およそ1時間半、重機を使って土地を整地したということです。

—転載終わり—

 反対運動の支援者による、現場からのリポートです。
 http://blog.goo.ne.jp/bhdsy27/c/de31ab55c5f9b188bcbad69d5398f165