八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

川原湯温泉の再建プラン(讀賣新聞群馬版)

八ッ場ダムで水没する予定の川原湯温泉。旅館主らは由緒ある温泉街を存続させたいと、代替地で再建する構想を公表しました。
 
「川原湯再建へ-八ッ場ダム対策委が構想」
(讀賣新聞群馬版2005年2月12日)
 
★共同浴場「王湯」を中心に

長野原町の八ッ場ダム建設で、水没する同町川原湯地区の住民でつくるダム対策委員会は、移転代替地での川原湯温泉の再建構想をまとめた。顔となっている共同浴場「王湯」を中心に、新たな温泉街に再生するのが柱。国土交通省などは構想を基に代替地整備を進め、二年後をメドに移転を目指す。

★国交省 2年後移転目指す

構想は、旅館経営者らの同対策委まちづくり専門部会と町、同省、都市計画コンサルタントなどで構成する検討会が、昨年4月から協議を重ねて策定した。

同町打越地区に造成が進む代替地の西側を温泉街を含む商業区、
東側を住宅地区とし、ダム湖に突き出した眺めのいい西端の半島部に「王湯」の露天風呂と公民館を設置。湖畔沿いの道を挟んで「湯かけ祭り広場」を設け、周辺に旅館を集め、みやげ物店や飲食店、共同駐車場も配置する。
温泉街のメーン通りは、観光客がそぞろ歩きできるよう車道を蛇行させ、せせらぎ水路などを整備して水と緑を楽しめるよう工夫する。町営住宅、集会所も設ける。

同ダム建設に伴う生活再建は、水没住民が近くの高台に集団移転する「ずり上がり方式」をとった。しかし、造成の遅れなどから現地居住に見切りをつけた住民の町外流出も進み、問題となっている。同部会長で「やまきぼし旅館」主人の樋田省三さん(40)は「川原湯の良さを引き継ぐ前向きな構想になった。
現地での再建が目に見える形に具体化できたことで、ここに残ることを考える人も出始めるのではないか」と期待をかけている。