「戸倉ダム 地元補償へ」(朝日新聞群馬版)

八ッ場ダムと同じく群馬県内に計画された戸倉ダム。国が2003年12月、建設中のダムとして初の中止を示唆したことで注目されてきた同ダムに関わる、地元補償のニュースを転載します。

「中止の戸倉ダム 地元補償に20億円ー国交省・3都県など負担」(朝日新聞群馬版2月19日付)

建設が中止となった戸倉ダム(片品村)の地元補償として、国土交通省などが総額約20億円を支払う方針を固めた。国や水資源機構が建設中のダムを中止する全国初のケースだった。利水を予定していた埼玉県や東京都などのほか、国も「中止で迷惑をかけた」として負担する。同省が所管するダム事業では96年以降、97事業が中止となっており、「先例になる」と慎重に地元対策を検討していた。

国交省などが支払うのは「まちづくり交付金」など総額約20億円。同交付金は昨年11月、約9億6600万円の交付が決まったが、今回下水管の整備などが追加された。同省都市・地域整備局が3月中に採否を決め、同省関東地方整備局が交付決定をする。交付金の負担割合は国が4割、埼玉県、東京都などの下流3都県と渋川市などが6割の予定。

同ダム事業には本体事業と、地元振興のために下流都県が支払う基金事業があり、国に基金事業の負担義務はない。だが同省は「協力的だった地元に大変申し訳ないことをした」と今回、一部負担を決めた。

同ダムは03年12月、下流都県が水余りなどを理由に相次いで事業撤退を表明。中止後の地元再建策をめぐり、「基金事業をこれまで通り継続することに、都県民の納得を得るのは非常に難しい」と支払いを渋る下流都県と、「建設中止は利水者の一方的な都合。協力してきた誠意と努力が踏みにじられた」と補償を求める地元住民とが対立していた。同省関東地方整備局は第三者委員会を設置し、地元が継続を要望する事業を選んだ。

同省職員は「幕引きを上手にやらないと、ほかの水源地域が不安に思うおそれがある」とも話している。