2005年3月12日 朝日新聞千葉版より
国が群馬県長野原町に計画した八ッ場ダム建設に、県が負担金を支出するのは地方財政法に違反するなどとして、「八ッ場ダムをストップさせる千葉の会」(中村春子会長)のメンバー51人が、県の支出負担金約250億円の差し止めなどを堂本暁子知事らに求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が11日、千葉地裁(山口博裁判長)であった。県側は、請求の一部で却下を求める答弁書を提出した。
訴状では、県内の水需給バランスの現状からすれば、新たな水源を確保する利水上の必要性はなく、根拠のない架空の洪水流量に基づいた八ッ場ダム工事計画には治水上の効果も期待できないとしている。このため、知事と県水道局長、県企業庁長に対し、今後の支出負担金約250億円の差し止めと、これまでの支出金の一部約19億円の損害賠償を求めている。
県側は答弁書で、支出負担金250億円のうち、水源地域整備事業経費負担金などは知事に支出の権限はない、とした。また、県水道局長と県企業庁長に賠償を求めた約9億円については、住民訴訟の前提となる住民監査請求がなされていないと主張。いずれの点でも却下を求めた。