「東電 補償額を提示 吾妻川のアユ不漁問題」(朝日新聞)

 八ッ場ダム建設が予定されている吾妻川には多くの水力発電所があります。
 草津白根山の山麓の酸性河川が流れ込む吾妻川は、ダム予定地付近ではほとんど魚影が見られません。

 流域の漁協では、発電所の工事を理由に、東京電力から補償金を受け取ったと報道されています。

2005年11月12日 朝日新聞群馬版より転載
「東電 補償額を提示 吾妻川のアユ不漁問題 2漁協に700万円程度」

 吾妻川で今年、アユが不漁だったのは東京電力群馬支店による工事が原因だとして、地元漁協などが支店に調査を申し入れていた問題で、支店は11日、阪東漁協(渋川市)に対し、具体的な補償額を提示した。吾妻漁協(中之条町)にもすでに金額を提示しており、合わせて600~700万円程度になるとみられる。支店は「工事との因果関係ははっきりしないが、地元との信頼関係を重視した」と話している。(小宮山亮磨)

「因果関係は不明 信頼関係を重視」
 不漁の原因とみられているのは、吾妻・東村の「箱島発電所」の工事。昨年9月から今年7月にかけ、発電機を交換した。通常は発電所で取水している酸性度の高い水が、工事期間はそのまま下流に流れたため、アユにとってすみにくい環境になった、などと漁協側は主張していた。

 両漁協が県水産試験場に調査を依頼し、10月までに中間報告が出そろった。東電群馬支店によると、川の酸性度が高くなり、これに伴ってエサとなる藻の付着や、アユの成育状況が悪かった、との内容だという。

 支店ではこの報告を受け、工事と不漁の間に「明確な因果関係はわからないが、可能性はある」と判断した。また、「地元地域との協調や共生を考え、誠意を持って対応した」という。

 阪東漁協の上流側に漁場を持つ吾妻漁協に対しては、300万円程度の支払いが提示されたとみられる。4月に放流したが成育しなかった約200キロの稚魚に対する「補填(ほてん)」という。

 一方、下流側の阪東漁協への補償額は、これよりやや多い。漁協は放流した1・6トンのアユ購入費約600万円のほか、釣り客が減ったことなどを含めて約1200万円の損失があると主張していたが、提示額はこの額を大きく下回っているようだ。漁協では19日に理事会を開き、話し合うという。