八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

「公開質問書の回答についての記者発表」

2005年12月5日、八ッ場ダムを考える会は記者会見を開き、公開質問書の回答が遅れている件について、以下の記者発表を行いました。

「八ッ場ダムを考える会では11月18日、水没予定地住民の生活再建について、国土交通省八ッ場ダム現地事務所、群馬県特定ダム対策課に公開質問書を提出しました。こちらで提示した回答の締め切り期日は12月2日でしたが、5日現在、回答は届いておりません。担当窓口は2日、回答が遅れる理由を以下のように説明しました。
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【国土交通省八ッ場ダム現地事務所】
 「質問の中に過去の経緯に関することがあるため、現在、回答を作成するための調査を行っています。」

【群馬県特定ダム対策課】
 「質問書の回答については、質問内容が多岐にわたること、及び質問内容が国交省が所管している代替地造成に関するものが多いことから、回答内容について検討を続けており、もう少し時間をいただきたいと考えています。」
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現在、国土交通省は、代替地の大幅な規模縮小を水没予定地住民に提示しています。工期の期限が迫り、ダム事業の進捗を急ぐ起業者の意向が優先し、住民の生活再建という本来の課題は置き去りにされています。
 水没予定地住民を取り巻く状況は、以前にも増して厳しく、今後の見通しも当初の計画とは大きく異なってきています。長年のダム計画の矛盾が住民の生活破壊、地域の衰退をまねいている現実を看過することはできません。財政難によるダム事業への逆風が強まる中、八ッ場ダム現地の問題は、今後さらに大きな問題となることが予想されます。
 国土交通省現地事務所、群馬県特定ダム対策課には、速やかに誠意あるご回答を改めて要請します。」