日米ダム撤去委員会第二回国際会議ー2/7

「国際的にも求められている“治水論”の大転換―2005年ハリケーン「カテリーナ」へのアメリカの反省、オランダの河口堰“撤去”と比較し、2004年日本列島水害と日本の“治水”と公共事業を点検する―」

■日時:2006年2月7日(火) 12:00~5:00

■場所:衆議院第2議員会館・第3会議室

○「ダムをめぐる日本と欧米の現状の違い」…天野礼子(アウトドアライター)        

○「ハリケーン“カテリーナ”への反省と、アメリカのダム撤去の現状」…アメリカンリバース(アメリカ最大のダムのNGO・河川政策担当者)

○「オランダは、なぜハーリングフリート河口堰を撤去するのか」…オランダ国土交通省

○「2004年日本列島水害が教えること」…大熊孝(新潟大学河川工学教授)                   

○「ダムへの堆砂による自然破壊と堆砂量予測の問題点」…岡本尚(植物生理研究者)

○パネルディスカッションー「正しい“治水”を求めて」
〈パネラー〉
・アメリカンリバース 
・オランダ国土交通省       
・今本博健(京都大学名誉教授・工学博士)
・五十嵐敬喜(法政大学教授 )

■主催:日米ダム撤去委員会
■協力:民主党、公共事業チェック議員の会   

【主旨文】
 2004年は日本の各所で「水害」が頻発し、多くの人命が失われた。
 これまでにあまり例のない、短時間に強い雨が狭い流域に集中するという雨の降り方で、地球温暖化が要因であるといわれた。
 各河川流域では、破堤によって人命が失われたことに対して、「急な増水は、上流のダムからの放水が“悪さ”をしたのではないか」「ダムができて安心と思っていたのに人命が失われた」などの声が挙がり、これまでは無言であった河川工学者たちが各地で、新聞社のインタビューに答えて「堤防強化を早くやるべきであった」「ダムに頼った治水に限界があった」と語り始めた。
 なぜなら、わが国では、堤防強化が地方自治体の負担になっているところが多く、それゆえ自治体は、自費負担となる「堤防強化」よりも“三割自治”(三割だけ自己負担であとは国が出してくれる)といいながら実際は“一割自治”で済む、「ダム」を推進してきた。それゆえ、「ダム案」がある間は、「堤防強化」がなおざりにされてきたという現実が全国であったのだ。
 2004年の各地の水害は、そのような「堤防強化」をなおざりにしてきた日本の「ダムに頼った治水」の弱点を明らかにした。
一方、アメリカでは今年2005年夏に、ミシシッピ川がハリケーンに襲われ、1993年時と同じように堤防が破壊して、多くの人命が失われた。イラク戦争に戦費を使いすぎて堤防強化など治水対策がなおざりになっていたのではないかと、被害に遭った人々は、ブッシュ大統領に怒っている。
 1993年のミシシッピ川・ミズリー川での水害では、アメリカの治水を担当する陸軍工兵隊が、国民に謝罪した。「自分たちや地方自治体が“治水”によかれと思って川をまっすぐにし、強い堤防を造ったために、人々がそれまでは住まなかった洪水氾濫原に住んでしまい、予測しなかった洪水で堤防が破れた時、大きな被害に遭ってしまった。これからはこの洪水氾濫原に住まないでほしい。住みたい人は自分で洪水保険に入ってほしい。大切なものは2階に置くなど自分で洪水対策をしてほしい。」というものだった。
 そして、もう人々が近くに住んでしまっている堤防は強化するしかなかったのだが、それが、戦費への導入で、あとまわしになっていたということだろう。
 また、ヨーロッパでは、2002年夏に、ドイツでは100人、ロシア黒海沿岸では55人の死者を出し、オーストリア・チェコでは数十万人が被災した大水害があったのだが、ドイツでもEUでも反省されたことは、洪水の氾濫原を人間が川から奪っていた河川政策のあやまちであった。
 オランダでは、2000年に、ハーリングフリート河口堰という、1970年より使用されていた河口堰の撤去が決定され、2005年より開始され、海岸と河口をすべて人工化し、洪水を堤防に閉じ込めてきたことが反省されている。
 「日米ダム撤去委員会」は第1回国際会議を2004年3月に松本市で行ない、アメリカのダム撤去の現状と、日本において「ダムが水害をひきおこしている」例を紹介した。
 今回は、アメリカからは、ミシシッピ川のハリケーンの現状と併せて、中型ダムにも進みつつあるダム撤去の現状を報告いただく。オランダからは、2005年から始まったハーリングフリート河口堰の撤去事例、日本の研究者からは2004年新潟水害などの事例を報告していただく。

「日米ダム撤去委員会」については以下のホームページを参照下さい。↓http://damremoval.com/