2006年7月11日
○読売新聞埼玉版より転載
「利根川水系の整備 市民交え議論を 流域23団体が『委員会』」
利根川流域の市民団体が10日、河川行政に意見を反映させることを目指す「利根川流域市民委員会」を発足させた。国土交通省が策定を進めている利根川水系河川整備計画に、無駄なダムの建設などが盛り込まれないよう、市民が参加する「流域委員会」の設置を求めていく。市民委員会に参加したのは、「利根川江戸川流域ネットワーク」など、東京、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木の6都県で活動する流域の市民団体。
河川整備計画では、1997年に改訂された河川法に基づき、今後20~30年間に行う事業が定められる。ダムなど具体的な河川施設が明記されるが、市民委員会は「過大な洪水を想定した群馬県の八ッ場ダムなどが計画に盛り込まれる可能性が高く、十分な議論が行われるべきだ」(発起人の嶋津暉之さん)としている。
流域委員会は、近畿地方整備局が淀川水系河川整備計画の策定にあたって設けた例があるが、関東地方整備局は「流域委員会に法的な根拠はなく、設置するかどうかは未定」(河川計画課)としている。
○朝日新聞埼玉版より転載
「利根川水系流域住民の組織発足 整備計画に参画目指す」
国土交通省がつくる「利根川水系河川整備計画」に流域住民の意見を反映させようと、住民らでつくる「利根川流域市民委員会」が10日できた。委員会は、関東地方整備局に、意見の繁栄方法を含め、意見交換をするよう要望した。
河川法が97年に改訂され、整備計画を策定する際住民の声を反映させることが義務づけられた。委員会は利根川水系の整備計画に参画しようと、東京都や埼玉などの23団体でつくられた。市民団体「利根川・江戸川流域ネットワーク」などが関係団体に呼びかけた。
委員会の発起人の一人で、三郷市に住む嶋津暉之さんは、同日、県庁で開いた記者会見で、八ッ場ダムや渡良瀬遊水地の掘削事業など、九つの事業が治水・利水対策として必要かどうか議論するべきだと主張。流域住民の参加をさらに呼びかけていくという。