「水没予定の長野原・川原畑 三ッ堂の百八灯」(上毛新聞)

2006年8月18日 上毛新聞より転載
『ろうそくに願い込め 伝統行事「三ッ堂の百八灯」 水没予定の長野原・川原畑』

 長野原町川原畑地区で二百年以上続くといわれる送り盆の伝統行事「三ッ堂の百八灯」が16日夜、三ッ堂観音堂で行われた。
 百八灯は、地元住民の無病息災を願い、お盆の共同送り火行事として始まったとされる。以前は地元の中学三年生が親方となり子供が中心となって行われていたが、少子化の影響で十年ほど前から大人が仕切って続けられるようになった。
 八ッ場ダム建設に伴い全世帯が水没する同地区は、今秋から住民の代替地移転が始まる予定。三ッ堂も同じように移転するため、現在の場所でできるのは今年か来年が最後とされる。
 午後七時ごろ、盆棚に使った竹の先に立てられた百八本のろうそくに灯がともされると、三ッ堂周辺の暗闇にろうそくの火が揺れ、幻想的な雰囲気に包まれた。集まった住民が、次々とロケット花火を打ち上げて締めくくった。
 川原畑地区の野口貞夫ダム対策委員長は「子供のころ、楽しみの一つだった。(今の場所では)今年が最後になるかもしれないので寂しい」と感慨深そう。野口良平区長も「ダム建設で世帯数が減ったが、どんなに少なくなっても守っていきたい」と話していた。