「予算財務省原案 八ッ場ダムに385億円」(読売新聞)

2006年12月21日 読売新聞群馬版より転載

○8%増 代替地造成にメド
 2007年度予算の財務省原案が20日、内示され、県関係では、国交省が建設を進める八ッ場ダム(長野原町)に385億円が認められた。県特定ダム対策課は「水没地区住民らが移転する代替地の造成が、来年度中に完成する見通しが立った」と歓迎している。

 同ダムは、04年度の197億円から毎年、大幅に増額されてきた。今年度の概算要求では、今年度当初予算の357億円を大きく上回る430億円を要求したが、「要求額に対して実際にどこまで工事をこなせるのかなど総合的に勘案した」(財務省担当者)として、今年度当初予算に比べ約7・9%増となった。

 事業費は移転代替地造成のほか、国道145号やJR吾妻線の付け替え工事に充てられる。移転代替地は来年1月から第1期分譲が始まるが、2期以後のスケジュールは未定で、同課は「代替地造成が完成すれば、2期以後についても見通しが立つのでは」と期待している。

 県施工のダムでは、本体工事が凍結され、今年度ゼロ回答だった倉渕ダム(高崎市)は、「来年度も期待できない」(県河川課)として要求しなかったため、補助金の計上は見送られた。増田川ダム(安中市)は今年度と同額の9500万円が満額内示された。

 道路関係では、高速道路の新設・改築費が全国ベースで7088億円となり、うち、北関東自動車道を建設中の東日本高速道路株式会社には2004億円が内示された。路線ごとへの振り分けは、同社が年度末までに策定する事業計画で決められる。

○代替地分譲延期 再建計画見直し予定通り進まず
 来年度も巨額の予算が認められたことについて、国交省八ッ場ダム工事事務所は「10年度完成に向けて最大限のことをするため、必要な予算がついたのはよかった」としているが、計画は順調とは言い難いのが実情だ。
 水没5地区の移転先となる代替地の第1期分譲は当初、今秋に予定されていたが、住民との協議が長引き、年明けに延期された。同事務所は「一部で4月以降になる区画も出てくる」とし、さらなる遅れを懸念する。一方、地区外への住民流出で代替地の購入希望が計画の4割程度にとどまった影響で、同省などは生活再建事業計画の見直しに着手。今年7月には、農林業を中心に68項目の見直し案を住民側に提示した。住民側には「約束通りの事業を進めるべきだ」との声が根強くある中、同省は年度内に最終案をまとめたい考えだ。