「シンポジウム ダムに負けない村 八ッ場から地域の再生を考える」

2007年11月5日 新聞各紙より転載

◆讀賣新聞群馬版——————————————-
「水没予定地に支援訴え 八ッ場ダムシンポジウム補償、投資・・・法整備提案」

建設中の八ッ場ダムに沈む長野原町の川原湯温泉の現状や、ダム建設の課題などについて考えようと、歌手の加藤登紀子さんら文化人を中心とした「八ッ場あしたの会」が4日、シンポジウム『ダムに負けない村 八ッ場から地域の再生を考える』を東京都内で開いた。周辺都県から約200人が集まる中、会員らは水没予定地の再生を支援する法整備などを訴えた。

 冒頭で同会の事務局が現状報告し、同ダムの問題点として、水没地区の代替地造成の遅れなどによって川原湯地区の世帯数が約30年前の約3分の1まで激減していることや、事業費4600億円という巨額の建設費についての費用対効果などが指摘された。

 加藤さんは、「過去に議論を尽くした現地の人たちからすれば今さらと思うだろうが、ダムによる損失の大きさを改めて示す必要がある」と話し、温泉評論家の石川理夫さんは、「代替地に移っても風情ある川原湯温泉の魅力はズタズタに引き裂かれる」と訴えた。

 また、群馬県から参加した関口茂樹県議は「ダム建設を中止しても時間は取り戻せないが、地元の生活を補償する法律を作って解決することは可能だ」と話し、都市プランナーの西田穣さんが、公共事業を中止しても、地域社会の再生に必要な投資を可能にする法律を作ることを提案した。

 最後に、「八ッ場を地域再生のシンボルに反転し、水没予定地再生のための法整備を求めよう」とするアピール文が会として採択された。

◆朝日新聞群馬版———————————————-
「計画廃止への道筋議論 八ッ場ダム都内でシンポ 必要な法整備探る」

 市民団体「八ッ場あしたの会」は4日、都内で、シンポジウム「ダムに負けない村」を開いた。政治の力や地元の反対で八ッ場ダム計画を廃止に持ち込むという立場から、必要な法整備への道筋について議論を交わした。
 パネルディスカッションには、建設反対を訴えて住民との対話を続けている歌手の加藤登紀子さんや、公共事業研究が専門の保母武彦・島根大学名誉教授ら8人が出席した。

 八ッ場ダムは52年に調査に着手して以来、半世紀以上がたった。熊本県の矢上雅義・相良村村長は、そうした歴史に、06年に反対の意向を表明した地元の川辺川ダムを重ねて、言及。やはり半世紀以上前に計画された同ダムが不必要だと気づき、「村長の自分や議会が声を上げた」という経験談を披露した。その上で、「50年以上たってもできないダムに、国が言うほどの緊急性はない」と言い切った。
 建設業者の倒産や町財政の悪化などの影響も出ているという状況も紹介しながら、「決断は将来の子どものためでもある。政治家が造ることを決めたのだから、壊すことも政治家が決めないといけない」と話した。

 下久保ダムの地元、旧鬼石町(群馬県藤岡市)の町長だった関口茂樹県議は「ダムができてから自治体に落ちる金は、毎年減る一方だ。県議会の中からも見直しの声を上げていきたい」と述べた。

 住民の中には、ダム計画を中止すると生活再建のための国からの補償もなくなることへの危機感がある。シンポジウムでは、ダム事業の見直しとともに、水没予定地の生活再建や地域再生のための法整備を求めるアピールを承認した。

◆上毛新聞——————————————————–

「事業の見直しや地域再生考える 八ッ場ダム 東京でシンポ 加藤登紀子さんら参加」

 八ッ場あしたの会(事務局・前橋市古市町)は四日、東京・永田町の星陵会館でシンポジウム「ダムに負けない村ー八ッ場から地域の再生を考える」を開いた。パネリストとして国連環境計画(UNEP)親善大使でもある歌手の加藤登紀子さんや県議の関口茂樹さんらが参加し、事業の見直しを前提とした地域再生について
考えた。
 同会は今年1月に発足し、八ッ場ダム事業の見直しを視野に入れながら上流地域の再生と下流地域との共生の道を探っている。

 シンポジウムで、関口茂樹さんは本県の県議会で自身のほか、新たに非自民・非共産系の県議三人が八ッ場ダム建設中止に賛成していることを挙げ、最終的に十人程度の県議が”見直し派”となる可能性を指摘。自民県議にも賛同するよう働き掛けていく方針を明らかにした。