ストップさせる会、石原都知事へ申し入れ

 八ッ場ダムをストップさせる東京の会は、石原慎太郎都知事宛てに要望書を提出しました。要望書の内容は以下の通りです。

 石原慎太郎様

 前略
 私たちは、八ッ場ダム事業を中止するよう求めて活動している団体です。
 ご承知の通り、国土交通省は首都圏の水がめとして55年前の1952年、群馬県の長野原町に八ッ場ダム建設を計画し、東京都も利水・治水の恩恵を受けるとして、首都圏の5県とともにその事業に参画しています。国土交通省は1986年基本計画を発表し、完成を2000年としました。ところが、2001年には2010年に延期し、さらには2003年に総事業費を4600億円に倍増するという変更を行っています。
 私たちは「無駄で危険な八ッ場ダム事業への支出は違法である」として、2000人を超える請求人の名を連ねて東京都に対し住民監査請求を行いましたが、それが退けられたため、2か月後の2004年11月、住民訴訟の提訴に踏み切りました。現在、東京地裁で裁判が進行しています。その中で私たちは、東京都が最大給水量を上回る十分な保有水源を確保しており、この上八ッ場ダムに水源を求める必要がないことを訴えています。
 このような中で、昨年12月13日、国土交通省は、工期を5年間延長し2015年とする計画変更を発表しました。前回、2003年の計画変更時点で、関係都県自ら、「これ以上完成が遅れるとダムが不要になるかもしれない」と危惧しており、「平成22年度の完成ということが、利水者が八ッ場ダムへの参画を判断する一つの材料となっており、予定年度における完成を強く要望したい。(完成が遅れた場合、ダム完成の時点で、ダム参加が不要になっていることも想定されるため。)」と6都県の合同調査チームが述べています。まさに、恐れていた事態が起こったわけです。
 今回の工期延長は、東京都にとって完成を待つ限度を超えており、八ッ場ダム事業からの撤退を決断する機会であると思います。2015年は、東京都でも人口がピークを迎える頃で、その後減少に転ずると予測されています。これまで水道局の努力によって漏水が減り、市民の節水意識の向上や民間事業者の技術開発などによって、人口が増加しているにもかかわらず、都内の水道使用量は減ってきています。この実績に照らして水需要予測を見直せば、八ッ場ダムの不要性がよりいっそうはっきりするでしょう。
 半世紀以上も本体工事に入れず、まだ完成時期の見えないダムは、水没予定地の住民の苦しみを深めるばかりでなく、都や国にとって財政的なリスクの増大をもたらします。国土交通省から関係都県への意見照会があると聞いております。これを機に、ぜひとも水需要予測を見直し、八ッ場ダム事業からの撤退を決断していただきたくお願いいたします。
 私たちの主張の根拠となる資料を同封いたしました。ご覧いただき、さらに意見交換の機会を設けていただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
                                          草々

  2008年1月21日        八ッ場ダムをストップさせる東京の会