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「八ッ場ダム工費1億3700万円削減」(読売新聞群馬版)

2008年6月24日 読売新聞群馬版より転載
「八ッ場ダム工費 1億3700万円削減 昨年度」

 国土交通省関東地方整備局は23日の「八ッ場ダム等建設コスト管理連絡協議会」で、同ダム関連だけで、昨年度に1億3700万円のコストを削減できたと発表した。

 建設中の仮排水トンネルは、周囲の地盤が想定より固いことが分かり、110メートル短くでき、費用が2億6000万円減った。国道の付け替え工事(トンネル)でも、補強工事が不要となり、1400万円を縮減できた。逆に県道の付け替え工事(橋脚)で、地盤強化の工事が必要になり、1億3700万円増えたという。

 昨年度末までに投じた事業費は、総事業費(4600億円)の63%に当たる2917億円。総事業費がほぼ倍増した2003年の事業計画変更後のコスト削減は計4億1700万円となった。

 また、同整備局は、工期の5年間延長を決めた後、関係都県から進ちょく状況の問い合わせがあったため、今回から、国交省と関係都県でつくる協議会への提供資料に事業の工程表を加えることにし、協議会規約を改正した。

 それによると、仮排水トンネル工事は、着工について住民との話し合いに3か月半を要した結果、完成時期がその分遅れることが分かった。同整備局は、ダム事業全体の日程に影響しないと説明している。

 今年3月末時点の事業の進ちょく状況も公開され、「用地取得」が73%、「家屋移転」が69%、「付け替え道路」が57%、「同鉄道」が81%、「工事用道路」が60%だった。

◆推進派議連が住民と意見交換

 八ッ場ダム建設を推進する立場を取る「八ッ場ダム推進議員連盟」(会長=田島雄一県議)のメンバーが23日、予定地の長野原町を訪れ、地元住民代表ら約10人と意見交換した。地元からは「生活再建のための整備事業を急いで」との声が相次ぎ、参加した自民、公明両党の県議計27人のメンバーも、早期のダム建設と住民の生活再建に向け、下流都県の議員とも連携していく方針を伝えた。

 意見交換会で、水没する地区の住民代表は「物価の上昇で、補償金だけでは現在と同規模の家屋が建たなくなっている」「雇用の場が確保されないと、人口が減る一方だ」などと苦境を訴えた。また、同ダムの建設見直しを求める県議らが議員団体をつくったことについては反発の声が上がり、高山欣也町長は「迷惑だ」と言い切った。

 議連メンバーは、住民が移転する予定地や代替道路などの工事現場もバスで視察した。