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「八ッ場住民支援に4000万円」(読売新聞)

2008年9月10日 読売新聞群馬版より転載

「八ッ場住民支援に4000万 県9月補正 川原湯振興策」
 県が10日に発表する9月補正予算案に、長野原町に建設中の八ッ場ダムの水没住民向けの緊急生活再建支援事業費として、総額約4000万円が盛り込まれることがわかった。マスコミ向け現地ツアーの企画や、工事見学者向けの宿泊代補助など、来客減に悩む川原湯温泉の観光振興策が柱。県議会などで同ダム事業の是非が議論される中、大型予算を組むことで推進姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。

 支援事業は、県が5月にまとめた20項目の緊急支援対策案の中から実施される。当初、下流都県からの基金を主に財源に充てる予定だったが、県の直接実施を増やすことにした。事業費約4000万円は補正予算としては、異例の規模となる。

 県関係者によると、水没する川原湯温泉の宿泊客の増加対策として計780万円を計上する。マスコミ向けツアーのほか、工業系の大学や高専・高校生向けに需要があるとして、ダム工事現場と絡めた視察旅行で同温泉を利用した場合や、リピーターとして再度利用した場合に宿泊代を補助する。

 また、地元高齢者のほか、同温泉の観光客も利用できるようにゲートボール場を650万円をかけて整備するほか、同温泉入り口のゲートや、トイレ、公衆浴場整備に700万円を盛り込む。

 一方、代替地整備の遅れから既存旅館の老朽化が目立つとして、地元から要望が強かった個人所有建物の改修補助も実施。県産木材を使った場合、費用の一部を補助する予定で、1260万円を計上する。

 5月にまとめた緊急支援対策案のうち、旅館補修費用の利子補給制度などは基金での実施を目指し、下流都県と交渉する方針だ。