「八ッ場ダム問題 民主・大河原雅子参院議員に聞く」(朝日新聞)

 ダム中止後の法整備に取り組む大河原雅子参院議員(八ッ場あしたの会会員)へのインタビュー記事です。

2008年11月20日 朝日新聞群馬版より転載
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000480811200001

【次期衆院選】
「民主・大河原雅子参院議員に聞く 補償の枠組みは法律で 河川管理の見直し必要」

 政権交代がかかると目される次期総選挙で、民主党は八ツ場ダム(長野原町)事業の是非を争点に掲げる見通しだ。県や自民党県議らは中止する場合の弊害を訴え、中止を主張する民主党が生活再建について具体的な見通しを示していないと批判する。東京都議時代から八ツ場ダムの見直しを訴え、民主党内の「公共事業検討小委員会」事務局長代理を務める大河原雅子参院議員(55)に、こうした指摘への反論も含めて話を聞いた。(高重治香、菅野雄介)

 ――民主党にとって、八ツ場ダム問題の優先順位は。

 八ツ場は公共事業見直しのシンボルだ。税金の無駄遣いをただすという意味で、優先順位は高い。

 ――党内ではどのような議論を。

 公共事業検討小委員会や超党派の「公共事業チェック議員の会」で、事業中止後の地域振興策の枠組みなどを議論している。補償の枠組みを示す法律を作る。

 群馬からは戦後、4人も総理が出ているのに八ツ場ダムは50年間できなかった。自民党の「生かさず殺さず」の計画で、地元の方は苦しめられてきた。ダムができてもできなくても、生活再建を第一に考えないといけない。

 ――当初は法案を臨時国会に出すという話もありましたが、いつ出す予定ですか。

 年明けの通常国会に出すよう準備している。法律の最初の適用は八ツ場ダムにしたいと私は思っている。

 ――ダムが中止になった場合、地元振興策も一緒にお蔵入りするという懸念も住民の間にはあるようです。

 あり得ない。ちゃんと予算をつけるだろう。「中止だけでなく生活再建もする」と鳩山由紀夫幹事長も公言しているし、政策集にも入れた。

 ――民主党には生活再建についての具体策がないという批判もあります。

 現地の方に安心してもらえて、本当に可能な対策を考えるには時間もかかる。鳥取県の県営中部ダムなどこれまでの例を見れば、ダム建設事業を止めてからでも地元への手当てはできる。
 具体策は、政権をとって中止を決め、住民と真剣な話し合いをしないと決まらない。重要なのは、法律で中止後の枠組みを決めることだ。

 ――ダムが中止になった場合、下流都県は生活再建の費用を出し続けるでしょうか。

 今までの考え方では、計画に参加してきた都県も、事業中止後の生活再建の費用を出さないといけなかった。しかし、法律を変えれば、別の方法も考えられる。自治体は事業に参加した責任と地元を復興する責任があるが、圧倒的に責任があるのは国だ。
 河川管理の考え方を根本的に変え、ダムから地下水まで、水の行政を一本化して無駄がないようにしたい。そのためにはみんなで考え、あらためて国と自治体で役割分担をしないといけない。

 ――都県が生活再建の費用を出すことにならない可能性もあるということですか。

 それは、小委員会の中でこれから議論していく。

 ――関西の4知事が大戸川ダム反対を表明し、金子国交相がダム事業見直し作業を指示するなど、ダムをとりまく状況はめまぐるしく動いています。

 予算も工期も約束が全然守られていないのだから、政治家として「ノー」と言える。その最たる人が知事。八ツ場の場合、15年までにダムができるのか、予算の増額があるのかないのか、国に問い詰めてはっきりさせる責任者が流域1都5県の知事だ。