八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

「川原湯にエクササイズセンター 県計画案」(読売新聞)

2008年11月25日 読売新聞群馬版より転載

「川原湯にエクササイズセンター 県計画案 八ッ場ダム完成後 水陸両用バス運行、ダム湖周遊」
 八ッ場ダム建設に伴って水没する川原湯温泉(長野原町)再建後、地域振興の中核施設となる「エクササイズセンター」の計画案が明らかになった。フィットネスルームやエステサロン、自転車を貸し出すサイクルセンターなどで構成し、誘客の要としてダム湖周遊用に水陸両用バスを導入することとし、その発着拠点と位置づけた。

 同センターは、生活再建事業のうち、下流都県が拠出する基金事業として建設される。計画案は県が作成し、今月中旬までに、川原湯地区の住民と下流都県に提示した。

 それによると、同センターは鉄筋コンクリート3階建てで、延べ床面積2550平方メートル。1992年の当初計画にあった「観光会館」の代わりにフィットネスルームやビジターセンターなどを加えた。「クアハウス」は足湯に変更した。水陸両用バスは栃木県日光市の川治ダムでも運行されている。運営には運転手ら15人の新規雇用を見込んでいる。

 運営方式は、水没5地区の住民代表で作る「まちづくり検討部会」に年度末までに検討してもらう。当初は県が公社を設立して運営する計画だったが、町所有とし、指定管理者制度による運営方式などを検討している。

 ただ、住民の間では、フィットネスルームに浴場がないことなどに不満の声が上がっているほか、採算の見通しが立たないまま町が巨大施設を抱えることを不安視する向きもある。県特定ダム対策課は「あくまで一つの提案で、要望に応じて弾力的に対応したい」としている。