八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

「八ッ場ダム補償事業 渓谷活用へ温泉施設」(上毛新聞)

 八ッ場ダムの地元への補償事業による集客施設が来年度着工されるとの記事が今朝の上毛新聞に掲載されました。施設は下流都県の拠出金によってまかなわれますが、維持管理費は地元負担になります。

2008年12月30日 上毛新聞一面より転載
「八ッ場ダム補償事業 渓谷活用へ温泉施設 東吾妻町が来年度着工」

 東吾妻町は来年度、八ッ場ダム建設に伴う補償事業として、ダム下流に位置する国指定名勝「吾妻峡」入り口に計画していた温泉施設を着工する。吾妻峡の保存と活用に向けた施設で、八ッ場ダムの補償事業で具体化される集客施設第一号となる。二〇一〇年春のオープンを目指す。

 町は補償事業として温泉施設「天狗の湯」を核とする交流施設「あがつまふれあい公園」や「吾妻渓谷自然公園」、駐車場整備、遊歩道などを計画している。ふれあい公園は同町三島の八ッ場ダム関連工事で排出される土砂の埋め立て地に計画され、広さは約五・二㌶。このうち温泉施設用地〇・五㌶の埋め立てがほぼ完了したため来春から建設に着手する。

 温泉施設は鉄筋コンクリートと木造を組み合わせた平屋建てで五百六十平方㍍。男女それぞれの浴室が百平方㍍。露天風呂のほか、小石を敷き詰めた足裏健康コース、貸し切り風呂(三三平方㍍)、休憩室、二十人が同時に利用できる足湯なども整備される。

 源泉はダム建設工事の一環で一九九六年にボーリングして湧出、九八年から仮入浴施設として地元住民に開放されている。同町は新たに着工する温泉施設を、吾妻峡を訪れる観光客の散策拠点と位置付け、町の観光の核になるものと期待している。

 設置場所は吾妻峡の入り口付近で、草津温泉や万座温泉などに向かう国道145号と新橋で結ばれるほか、将来は上信自動車道雁ヶ沢ランプと直結する立地。
 新年度予算の編成作業中のため予算は確定していないが、町は概算の総工費を二億円前後と見込んでいる。財源はすべて利根川・荒川水源地域対策基金でまかなわれる。