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「大寒に熱気 長野原で湯かけ祭り」(読売新聞群馬版)

2009年1月21日 読売新聞群馬版より転載
「大寒に熱気 長野原で湯かけ祭」

20日は、暦のうえでもっとも寒いとされる「大寒」。県内では、ほとんどの地点で最低気温が平年を上回った。長野原町の川原湯温泉では、恒例の「湯かけ祭」が行われ、下帯姿の若衆らが源泉の湯をかけ合った。
 祭りは約400年前、温泉が突然、出なくなった際、祈願すると再び湯がわき、うれしさのあまり、湯をかけ合ったのが起源とされる。

 夜明け前の午前5時から、紅白に分かれた約60人の参加者は共同浴場「王湯」前で神事を行った後、温泉街で約50分間、氷点下に冷え込む中、「お湯わいた」にちなんで、「お祝いだぁ」というかけ声が響いた。

 温泉街は国が計画する八ッ場ダムの建設で水没し、今年はダム本体の工事が着工される。近くに住む旅館経営豊田拓司さん(57)は、「この土地で祭りができるのはあと数年で寂しいが、神社の代替地もすでに決まっているので、そこでも根付かせたい」と話していた。

 また、祭りを見に来た東吾妻町大戸、主婦山本裕子さん(58)は、「初めて来たが、暗がりの中、湯のかけ合いで、辺り一面に湯気が立ち上がる様子は趣があった。来て良かった」と笑顔を見せた。

 前橋地方気象台によると、朝までの最低気温は13観測地点中10地点で平年を上回り、藤原(みなかみ町)で3月下旬並み、沼田でも3月中旬並みとなった。最高気温も前橋などで平年を2度上回った。

(2009年1月21日 読売新聞)