前原大臣、群馬県&埼玉県知事、それぞれの年末記者会見

 八ッ場ダム中止方針を示している前原大臣、推進を訴える群馬県と埼玉県の知事それぞれが年末に記者会見を行いました。
 前原大臣は、「生活再建関連事業」について三月の実施計画決定時までに具体的な内容を明らかにする(1月24日の地元推進派との意見交換会までには明らかにならない)としています。一方、群馬県知事は意見交換会をダム推進を前提とした場と認識していることを明らかにしています。埼玉県知事は「生活再建関連事業」を従来どおり進めることで、いつでもダム本体を造れる状況(にしたい)と語っています。
 年末会見での知事らの踏み込んだ発言は、12月25日に民主党政権初の財務省原案が発表され、八ッ場ダムの「生活再建関連事業」に満額回答があったことにより、ダム中止方針を覆せるとの自信が深まったことの表れでもあるでしょう。
 知事らの推進姿勢は当初から変わりませんが、前原大臣の八ッ場ダム中止方針が国民の一定の支持を得ているのも事実です。八ッ場ダム事業の行方を巡って年明け後も厳しい攻防が続きそうです。

★国土交通省ホームページより転載(2009年12月22日 前原大臣会見要旨)
http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin091222.html

(問)八ツ場ダムに関してですが、地元住民の方が対話受け入れを表明したということは大きな前進だと思いますが、来年度予算の内容を確認した上でという条件を出されて、代替地同士を結ぶ湖面1号橋の名前を挙げていて、一方で民主党の群馬県連や地元の国会議員の方からは、仮にダムが中止になった場合は、湖面1号橋は不要ではないのかという指摘もあって建設凍結を求める声もあります。
そういう中で実際に大臣はこれまで、ダム事業で進められる生活再建はそのまま進めますということを表明されているのですが、特に湖面1号橋に関して来年度予算ではどのような取り扱いをされていくのか教えて下さい。

(答)今お尋ねの件につきましては、今予算編成の作業中で詰めている段階でございますので、お答えすることは差し控えたいと思っております。
ただ幾つかの点を申し上げますと、1つはこの八ツ場ダムという個別のダムについての具体的な内容については、実施計画決定時までにその姿をお示しをするということでありまして、実施計画決定時というのは3月末でございますので、それまでには明らかにするということになるのかと思っております。
従って1月24日を目途において決定をするということではなくて、あくまで3月末の実施計画決定時までに具体的な予算については決定をするということでございます。
それと同時に私が9月23日に八ッ場ダムの現場に行かせて頂いたときに、ダムの本体工事については中止をするということを申し上げました。
その考え方で今まできている訳でございますけれども、合わせてその時に申し上げたのはダム事業として中止はしませんということで、生活再建関連については着実に行っていきますということ、必要なものについては着実に行っていきますということを申し上げましたのでそのことについては約束通りやらせて頂きたいと思っております。
ただし、公共事業については全国的に抑制傾向にあるということの中で、出来る事業と出来ない事業も当然ながらあるということでありまして、その点を全て加味して最終的には3月末までに、この実施計画決定時までにお答えをすることになろうかと思います。

★群馬県ホームページより転載(平成21年12月28日 知事定例記者会見要旨)
http://www.pref.gunma.jp/cts/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=88386

○平成22年度予算のうち、八ッ場ダム関連について
(記者)  分かりました。予算について、もう一つ伺いたいのですが。八ッ場ダムについてなのですが、本体工事の予算はゼロで、生活再建のお金はそのままプラスちょっと微増みたいな予算が付いたのですけれども、それについてのお考えを聞かせていただきたいのですが。

(知事)  八ッ場ダムの事業については、地域の方々も私も、前原大臣には生活再建案は第一として進めていただきたいと。合わせてダム建設を推進していただきたいというのは、1都5県の知事、それから地元とも共通の思いの中で、今日までやってまいりました。
 前原大臣も9月に来られたときに、生活再建はしっかりやると言われていたわけですけれども、その間、いろいろな方が大臣のところに陳情に行って、地元は非常に戸惑っていたのも事実であります。私自身も12月に入って大臣に直接お会いして、大臣にしっかりと住民の意見を正しく聞いていただきたい、一部には温泉街は下で経営するような陳情があったわけですけれども、地元の温泉組合の方々は1人として、下で温泉経営をすると言っている方はおられなかった。それは町長にも確認していただいたのですけれども。
 そのような中で、間違った情報が大臣に入ると、正しい判断ができない。まして生活再建は大きく変わってくると。それで正しい判断をするためには、地元と意見交換をして正しい判断をしていただきたいということを、再三言ってまいりました。結果的に地元の有志の方々と話し合って、1月24日ということで地元は受け入れる。前原大臣としても、地元の人たちの強い思いを受け止めていただいて、生活再建事業はまずはしっかりやろうということで、今回予算に取り組んでくれたのかなと思います。私はこのことは高く評価しているところでありまして、ぜひ、1月24日は地元と前原大臣とで忌憚(きたん)のない中で意見交換会ができて、生活再建事業、八ッ場ダム推進に当たっての意見交換ができればいいな、そんな思いでおります。

★埼玉県ホームページより転載(平成21年12月28日 知事記者会見テキスト版)
http://www.pref.saitama.lg.jp/room/kaiken/text091228.html#03

日経 八ッ場ダムの件なんですけども、政府予算案の方で生活再建に予算を計上されてはいると思うんですけども、実質、八ッ場ダムの方針については夏まで凍結というふうなお話があったと思うのですが、その辺について知事の評価はいかがかですか。
知事 生活関連施設は、鉄道の振り替えだとか道路の振り替え等々、約束事ですので。川っぷちを走っていた鉄道が、もう上を走ることになってますから、途中で止めるというわけにはいかないという世界だと思います。
 最終的にはダムの本体、言わば堤の部分だけが残るという形ですので、いつでもすぐ造れるという状況ですので。もうこれは、中止と言われましたけども、どうも言い過ぎたかなというようなことでお詫びもされてるし、何らかの形で検証しなくてはいけないというようなことも言っておられますので。1日も早く代替案を出して、代替案が出ないのだったら、言い過ぎたことを反省して、ちゃんと謝って、ちゃんと造るべきだというふうに思います。