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「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の公開を求める要望書

 2009年12月、民主党政権はわが国の治水政策の転換を目指すとして有識者会議を立ち上げました。しかし12月3日に開催された第一回会議は、マスコミが冒頭撮影を許可されただけで非公開とされました。官僚主導で進められてきた旧政権と同様のこのような措置では、治水政策の転換を図ることはできないのではないか、と疑問の声が高まってきています。
 この有識者会議の次回会議では、治水政策の転換を目指す識者の意見を聴取するとされていますが、出席を求められた識者らは会議の公開を求めています。識者の一人である宮本博司氏(元淀川水系流域委員会委員長・元国土交通省防災課長)は、「国民の生命に関わる治水の考え方を転換する議論は国民の前で堂々と行うべきであり、また国民を巻き込んだ中で議論しないとどんなに素晴らしい方針が出ても実効性が伴わなくなる。」として、会議が公開されない場合には意見陳述に応じない方針です。次回会議の開催日程は決っていません。

 全国の31市民団体はこうした状況を憂い、要望書を前原誠司国交大臣、および有識者会議の中川博次座長に提出しました。

国土交通大臣 前原 誠司 様
「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」座長 中川 博次 様

2010年1月6日

     「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の公開を求める要望書

 前原誠司国土交通大臣は、2009年12月25日、2010年度の136ダム事業のうち、89事業について継続の是非を検証することを発表しました。その検証は、「できるだけダムに頼らない治水」への政策転換に向けて設置された貴会議が来年夏ごろに提示する基準に沿って行われることになっています。
 まさしく貴会議は今後のダムの行く末を決めるきわめて重要な会議であって、「ダムに頼らない治水」に向けての前原大臣の英断の成り行きを全国民が固唾を呑んで見守っています。
 このように、国民の注視の的になっている非常に重要な会議が、昨年12月3日の第1回では非公開で行われたことはまったく理解できません。審議会すら公開で開催される昨今、諮問機関における非公開は時代の流れに逆行する判断であるといわざるを得ません。
つきましては、第2回以降の貴会議を是非、公開していただきたく、会合の傍聴ができるようご配慮をお願いいたします。このようなお願い自体、貴会議に寄せられた国民の期待と関心の高さの表れとご理解いただければ幸いです。
 是非、有識者会議の傍聴の要望を受け入れていただきたく、本要望書を提出いたします。誠に恐縮ですが、本書面到達後7日以内に連絡先あて書面にてご返答いただければ幸いです。
 なお、私たちの要望およびご返答の内容ないし有無につきましても、マスコミに発表させていただきますことを予め申し添えます。
 よろしくご高配の程、お願い申し上げます。

申入れ団体連絡先
〒102-0083 千代田区麹町6-4麹町ハイツ502 谷合周三法律事務所内
             ℡03-3512-3443 Fax03-3512-3444
        八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会事務局  弁護士 谷合周三

◆申入れ団体

 八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会
 八ッ場ダムをストップさせる群馬の会
 ムダなダムをストップさせる栃木の会
 八ッ場ダムをストップさせる茨城の会
 八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会
 八ッ場ダムをストップさせる千葉の会
 八ッ場ダムをストップさせる東京の会
 霞ヶ浦導水事業を考える県民会議
 霞ヶ浦・北浦をよくする市民連絡会義
 利根川の水と自然を守る取手連絡会
 茨城県の水問題を考える市民連絡会
 八ッ場あしたの会
 環境会議・諏訪
 美しい錦川を未来へ手渡す会
 太田川ダム研究会
 みんなで佐倉市をよくする会
 相模川キャンプインシンポジュウム
 ダム反対鹿沼市民協議会
 九州住民ネットワーク
 球磨川からすべてのダムを無くして鮎の大群を呼び戻す会
 奥胎内ダムを考える会
 設楽ダムの建設中止を求める会
 設楽ダムの建設中止!名古屋の会
 日進自然観察会
 身近な川を見守る会
 全国自然保護連合
 利根川流域市民委員会
 利根川・江戸川流域ネットワーク
 市川緑の市民フォーラム
 渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える
 導水路はいらない!愛知の会

*有識者会議のこれまでの経緯については、こちらに情報をまとめています。